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収納は「量」より「位置」で考える、後悔しない洗濯動線のつくり方

  • 2026.10.06
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SNSで見かける「回遊動線」「ファミリークローゼット」「キッチン・洗面・クローゼットを一直線につなぐ家事動線」。憧れてそのまま間取りに取り入れようとしていませんか。実はこれらを無理に詰め込むと、収納力が減ったり、かえってコストが上がったりすることがあります。この記事では、収納を「量」ではなく「位置」で考える方法と、洗濯動線を無理に一直線にしなくていい理由を、設計から現場管理まで手がける1級建築士の立場から解説します。

通り抜けできる収納は、本当に収納力が高いのですか?

「ランドリールームからファミリークローゼットへ回遊できる動線」は、SNSでよく見かける人気の間取りです。ただし、ここには見落とされがちな事実があります。通り抜けられる動線には「人が歩くための通路スペース」が必要で、その部分には物を置けません。

たとえば3畳のファミリークローゼットを作っても、通路として1畳分が使われてしまえば、実際に使える収納力は2畳分以下に落ちてしまいます。

同じことは玄関の土間収納でも起こります。通り抜けできる「ウォークスルー型」より、行き止まりで壁一面を棚にできる「ウォークイン型」のほうが、同じ面積でも収納力は大きく変わります。

さらに、通り抜けをなくして行き止まりにすると、扉や壁が増える分、コンセントやスイッチを配置できる壁が減ったり、家具の配置が制限されたりすることもあります。「回遊動線にすれば便利」という発想だけで進めると、面積の割に収納力が伸びない間取りになりがちです。

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収納で後悔しないためには、何を基準に考えればいいですか?

「収納は多めに」と広い部屋をとりあえず確保する考え方は、結局その部屋が使う場所と合わず、物置のようになってしまうことが少なくありません。大切なのは、「どこで使うか(位置)」と「床から天井までどう仕切るか(立体)」で考えることです。使う場所の近くに、天井まで届く壁面収納を計画するだけで、大きな納戸を作らなくても家はすっきり片付きます。

持ち物の寸法を測ってから収納量を決める考え方については、「間取りの後悔ランキング」でも詳しく解説しています(リンク:/column/madori-koukai-ranking/)。あわせて確認しておくと、収納計画の精度がさらに上がります。

キッチン・洗面・ファミリークローゼットを一直線につなげたほうがいいですか?

「キッチン→洗面脱衣室→ファミリークローゼット」を一直線につなぐ家事動線も、SNSでよく見かける人気の間取りです。ただし、採用する前に確認しておきたい注意点が3つあります。

1つ目は、キッチンと洗面脱衣室を直接つなぐ入口が、本当に必要かということです。料理と洗濯を同時に行うタイミングは、思っているより多くありません。この入口にこだわると、洗面脱衣室の収納が減ったり、部屋が無駄に大きくなったり、入口が2つ必要になったりして、結果的にコストアップにつながることがあります。

2つ目は、洗面脱衣室とファミリークローゼットをつなぐときの湿気対策です。お風呂に入る際に通る動線になるため、湯気や湿度がクローゼットに流れ込まないよう、区切りと換気の設計が必要です。よく着る服なら問題は少ないものの、あまり着ない服の収納場所としては向いていません。

3つ目は、室内物干しを加えると、動線がどんどん長くなることです。室内物干しをどこに置くかによって、動線の距離は大きく変わります。

無理にすべてを一直線につなげる必要はありません。クローゼットの収納だけを別の場所に分ける、室内物干しとクローゼットをセットで考える、洗面脱衣と室内物干しをセットで考えるなど、暮らし方に合わせて組み合わせを変えるほうが、間取り全体の自由度は上がります。通路を減らして家をコンパクトにできれば、その分のコストダウンにつながることもあります。

高浜市・西三河で収納と動線を考えるときに

高浜市をはじめ西三河エリアは、区画が限られた土地が多く、延床面積にも制約が出やすいエリアです(「30坪でも広く感じる間取りにする方法」でも、面積の使い方を解説しています。リンク:/column/madori-hiroku-miseru-kufuu/)。だからこそ、収納と動線を「足し算」で詰め込むのではなく、「本当に必要な場所」に絞り込む引き算の発想が、この地域ではより効いてきます。

回遊動線や一直線の家事動線は、SNSで人気がある一方、通路が増えるほど収納力は減り、入口が増えるほどコストは上がります。収納は「量」より「位置」と「立体」で考え、動線は暮らし方に合わせて組み合わせを選ぶのが、後悔しない間取りの考え方です。

  1. 「このクローゼット、通路にどれくらいの面積を使っていますか」と聞く。収納力が面積の見た目通りかを確認する
  2. 「収納は、どこで何を使うかに合わせて計画していますか」と聞く。「多めに」で終わっていないかを見る
  3. 「この動線を一直線にすると、入口はいくつ増えますか」と聞く。コストへの影響まで説明できるかを確認する

まとめ

回遊動線や一直線の家事動線、大容量収納は、SNSで人気がある一方、そのまま取り入れると収納力が減ったり、コストが上がったりすることがあります。収納は「量」ではなく「位置」と「立体」で考え、洗濯動線は無理に一直線にせず、暮らし方に合わせて組み合わせを選ぶことが、後悔しない間取りへの近道です。

収納計画や家事動線の考え方について、図面を見ながらのご相談もやっていますので、相談をご予約ください。


■ この記事を書いた人

前田 浩貴(まえだ ひろたか) 有限会社 IN THE HOME 代表 / 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士

愛知県高浜市で注文住宅の設計・施工を手がける。営業任せにせず、建築士である自身がヒアリングから設計、現場管理までを一貫して担当。設計した人間がそのまま現場を見るため、図面通りに建てられることを何より大切にしている。 YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」で家づくりの本音を発信中。

施工エリア:高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・岡崎市・常滑市・半田市・大府市・東浦町ほか西三河/知多エリア


家づくりの本音や現場の様子は、YouTube・Instagram・noteでも発信しています。

▶ YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」  https://www.youtube.com/@inthehome

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▶ note まえちゃん|家づくりを丸ごとサポートする建築士  https://note.com/inthehome_maeda


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