高機密・高断熱

UA値は、実際の光熱費にどうつながるのか?

  • 2026.11.06
  • 5分で読めます
  • コスト断熱

「UA値0.46の家です」と言われても、それが光熱費にどうつながるのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。
UA値は住宅の断熱性能を表す数値ですが、数値が小さいほど必ず光熱費が安くなるとは限りません。
この記事では、UA値の意味と、光熱費との関係を、西三河・知多エリアで設計から現場管理まで手がける1級建築士の立場から解説します。

UA値とは、どんな数値なのか

UA値とは、具体的に何を表す数値ですか?

UA値(外皮平均熱貫流率)は、屋根・外壁・床・窓などの外皮から逃げる熱の量の合計を、外皮全体の面積の合計で割った数値です。
換気による熱の出入りは含まれません。数値が小さいほど、熱が逃げにくく断熱性能が高い住宅であることを意味します。
断熱等級は現在1〜7まであり、等級ごとにUA値の基準値が定められていますが、この基準値は全国を8つの地域に分けた「地域区分」によって異なります。

[中盤導線:UA値の意味や断熱性能の考え方についても、YouTubeで詳しく話しています。▶]

UA値を下げると、光熱費はどれくらい下がるのか

UA値を下げると、光熱費はどれくらい下がりますか?

【知っておきたい前提】 長野県が公開している試算例では、UA値を0.75から0.23まで下げた場合、年間の暖冷房費が約14万5千円から約8万2千円へ下がり、差額は年間約6万3千円という結果が示されています(電気料金は1kWhあたり28.46円で試算)。
ただし、これは寒冷地で暖房費が中心となる地域の試算です。断熱等級を4から5に上げると、目安として約20%の省エネにつながるという情報もありますが、実際の削減額は地域・家の形・設備・電気料金の単価によって大きく変わります。
この数字をそのまま自分の地域に当てはめず、あくまで「断熱性能を上げると光熱費は下がる方向に働く」という傾向をつかむための参考値として見てください。

高浜市のような温暖な地域では、何を目安にすればいいか

温暖な地域では、UA値の基準はどう違いますか?

高浜市を含む愛知県の多くは、名古屋市と同じ「6地域」に区分されている可能性が高いとされています(正式な地域区分は国交省の地域区分一覧でご確認ください)。
6地域では、現行の省エネ基準(断熱等級4)のUA値は0.87、断熱等級5の基準値は0.6とされています。
寒冷地に比べると基準値自体が緩やかに設定されているため、「等級4だから十分」と考えるのではなく、等級5以上を検討する価値があるかどうかを、実際の光熱費シミュレーションと費用差で比較することをおすすめします。
私たちは標準で「断熱等級6」になっています。これは掛けた金額で電気代の元がとれるように設計している仕様です。

【ここまでの要点】 UA値は断熱性能を表す指標であり、数値が小さいほど熱が逃げにくくなります。光熱費への効果は地域や暮らし方によって変わるため、自分の地域・家族構成に合わせたシミュレーションで確認することが大切です。

  1. 「このUA値は、どの地域区分を基準にしていますか」と聞く。地域区分によって基準値が異なります
  2. 「光熱費のシミュレーションを見せてもらえますか」と聞く。一般的な試算例ではなく、自分の家の条件での数字を確認します
  3. 「等級を1つ上げると、費用差はどれくらいですか」と聞く。初期費用の増加分と、光熱費の削減額をあわせて比較します

まとめ

UA値は、住宅の断熱性能を表す数値で、数値が小さいほど熱が逃げにくくなります。
ただし、光熱費への効果は地域・家の形・設備・電気料金の単価によって大きく変わるため、一般的な試算例をそのまま当てはめず、自分の地域・条件でのシミュレーションを確認することが大切です。高浜市のような温暖な地域では、基準値が緩やかに設定されていることも踏まえて、どの等級を目指すかを検討することをおすすめします。

UA値や断熱性能について、具体的なご相談も承っています。


■ この記事を書いた人

前田 浩貴(まえだ ひろたか) 有限会社 IN THE HOME 代表 / 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士

愛知県高浜市で注文住宅の設計・施工を手がける。営業任せにせず、建築士である自身がヒアリングから設計、現場管理までを一貫して担当。設計した人間がそのまま現場を見るため、図面通りに建てられることを何より大切にしている。 YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」で家づくりの本音を発信中。

施工エリア:高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・岡崎市・常滑市・半田市・大府市・東浦町ほか西三河/知多エリア

家づくりの本音や現場の様子は、YouTube・Instagram・noteでも発信しています。

▶ YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」  https://www.youtube.com/@inthehome

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