「断熱等級4だから安心です」という説明を聞いたことはありませんか。
実はこの説明、2022年より前の話であれば正しいのですが、今は意味が変わっています。
この記事では、断熱等級4がなぜ「最低ライン」と言われるようになったのか、制度の変遷と、これから家を建てる人が見るべき基準を、西三河・知多エリアで設計から現場管理まで手がける1級建築士の立場から解説します。

断熱等級4は、かつて「最高等級」だった
なぜ、断熱等級4が今は「最低ライン」と言われるのですか?

断熱等級は、2022年3月までは等級4が最高等級でした。同年4月の品確法改正で等級5が新設され、同年10月には等級6・7も新たに設けられています。つまり、それまで「目指すべき上限」だった等級4は、この時点で一気に「上から4番目」の位置に下がりました。
さらに、2022年6月に公布された改正建築物省エネ法により、2025年4月から原則すべての新築住宅に省エネ基準(断熱等級4以上の性能)の適合が義務化されています。これにより、等級3以下の住宅は新たに建てられなくなりました。かつて「最高」だった等級4は、今は「これより下は建てられない」という最低ラインに変わっています。

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「等級4で十分」と考えると、何が起きるか
義務化された基準と、これから求められる基準は同じですか?

【知っておきたい前提】
現時点で義務化されているのは等級4以上ですが、複数の自治体資料では2030年を目安に等級5以上への義務化強化が予定されているとされています(時期や内容は変更される可能性があるため、最新情報は国土交通省の公式資料でご確認ください)。
家は一度建てたら数十年住むものです。「今の義務化基準を満たしているから十分」と考えるのと、「この先何十年か住む間に基準がもう一段上がる可能性がある」と考えるのとでは、選ぶ断熱等級が変わってきます。
あとから壁の中の断熱材を厚くすることは現実的ではないため、断熱等級は新築時にしか選べない判断だという点を踏まえておく必要があります。
6地域(高浜市含む)で、等級ごとのUA値はどう違うのか
断熱等級4と5以上では、UA値の基準値はどれくらい違いますか?

高浜市を含む6地域でのUA値の基準値は、断熱等級4が0.87、等級5(ZEH水準)が0.60、等級6が0.46、等級7が0.26とされています(正式な地域区分は国交省の地域区分一覧でご確認ください)。
数値が小さいほど、外皮から逃げる熱が少なく断熱性能が高いことを意味します。
UA値と実際の光熱費の関係については、別の記事で詳しく解説しています。
【ここまでの要点】
断熱等級4は、2022年以前は最高等級でしたが、今は義務化された最低基準です。
これから家を建てるなら、「等級4を満たしているか」だけでなく、「その上の等級と比べてどれくらいの費用差があるか」まで確認して判断することをおすすめします。
ちなみに、インザホームでは断熱等級6が標準です。ご予算に合わせて断熱は上げられますが、地域に合わせて設計していますので過剰な断熱はオススメしていません。
家の快適性は断熱だけでは決まりません。気密、換気、間取り、窓、日射など様々な要因で違ってきますので、その最適解を敷地条件やご予算に合わせて考えていきます
【チェックリスト】
- 「この家の断熱等級はいくつですか」と聞く。等級の数字だけでなく、どの地域区分を基準にした数値かも確認します
- 「それは義務化された最低基準ですか、それより上ですか」と聞く。等級4は今や最低ラインであることを踏まえて質問します
- 「等級5以上にすると、費用と光熱費はどれくらい変わりますか」と聞く。初期費用の増加分と、長期的な光熱費の差をあわせて比較します
まとめ
断熱等級4は、2022年3月までは最高等級でしたが、同年に等級5・6・7が新設され、2025年4月からは義務化された最低基準になりました。将来的にはさらに上の等級が最低基準になる可能性もあります。家は建てたあとで断熱性能を上げ直すことが難しいため、「今の義務化基準を満たしているか」だけでなく、将来を見据えてどの等級を目指すかを、費用と光熱費の両面から検討することをおすすめします。
断熱等級やUA値について、具体的なご相談も承っています。相談は全て建築士の私が対応させていただいています。
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【著者プロフィールボックス】 前田浩貴(まえだ ひろたか) 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士 有限会社IN THE HOME (愛知県高浜市向山町5丁目9番17号) 設計から現場管理まで、建築士本人が一貫して担当。規格住宅ではなく、暮らしに合わせた自由設計を行う。
【SNS導線:記事末】
YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」 https://www.youtube.com/@inthehome
Instagram(会社) @in.the.home https://www.instagram.com/in.the.home/
Instagram(個人) まえちゃん|家づくりを丸ごとサポートする建築士 https://www.instagram.com/maechan.no.iezukuri/
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