「うちの市にも補助金はありますか?」。個別相談で本当によく聞かれる質問です。実は補助金には見落とされがちな注意点があります。国の制度は全国共通ですが、市独自の補助金は、市によって内容がまったく違います。この記事では、高浜市・岡崎市・安城市を例に、2026年度時点で注文住宅に使える補助金を、設計から現場管理まで手がける1級建築士の立場からまとめて解説します。
補助金は年度で変わります:制度・金額は2026年9月時点で確認したものです。年度が変わると内容が変更・終了になることが珍しくありません。実際に申請する前には、必ず各市の窓口や公式サイトで最新情報を確認してください。
国の補助金は全国共通、市の補助金は市ごとに違う
注文住宅で使える補助金には、どんな種類がありますか?
注文住宅の補助金は、大きく分けて「国の制度」と「市独自の制度」の2種類があります。国の制度の柱になっているのが、2026年度の「住宅省エネ2026キャンペーン」の一つ、みらいエコ住宅2026事業です。

GX志向型住宅は世帯を問わず対象になり、この地域(5〜6地域)ではおおむね110万円/戸が目安です。長期優良住宅・ZEH水準住宅は、子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)または若者夫婦世帯(夫婦どちらかが40歳未満)に対象が限られます。「うちは対象になるのか」は、世帯の条件によって変わるので、この点は早めに確認しておく必要があります。
高浜市には、新築向けの市独自補助金は今のところない
高浜市には、新築住宅向けの補助金制度がありますか?
2026年9月時点で調べた限り、高浜市には新築住宅向けの市独自の補助金は確認されていません。(既存住宅のリフォームを対象にした補助金は別にあります。)高浜市で注文住宅を建てる場合、使える補助金の中心は国の制度になる、というのが現状です。
これは「高浜市が補助に消極的」という話ではなく、市によって力を入れている補助の分野が違うということです。次に紹介する岡崎市・安城市のように、近隣の市には独自の補助金がある例もあります。
岡崎市・安城市には、独自の補助金がある
岡崎市・安城市には、どんな独自の補助金がありますか?

岡崎市には「岡崎市産材住宅建設事業費補助金」があります。柱や梁などの主要構造材に岡崎市産材を1立方メートル以上使用し、市内の建築業者で新築・増築・改築する場合、1立方メートルあたり25,000円(上限30万円)が補助されます。床板や天井板などの内装材に使う場合も別枠で補助対象になります(合算の上限は30万円)。
安城市には「スマートハウス普及促進補助金」があります。太陽光発電・家庭用リチウムイオン蓄電池・HEMSを一体的に導入すると21万円、蓄電池単体でも15万円が補助される制度です(2026年度時点の要綱による金額)。
このように、同じ西三河エリアでも、市によって補助の対象や金額はまったく違います。「近くの市にある補助金だから、うちの市にもあるはず」とは限りません。建てる予定の市の制度を、個別に確認することが欠かせません。
補助金を使うときの注意点
補助金を使うときに、気をつけることはありますか?

補助金の多くは、契約・着工前の申請が前提になっています。「着工してから申請しよう」と思っていると、対象外になって受け取れないことがあります。また、多くの補助金は年度ごとの予算が決まっており、予算の上限に達すると、年度の途中でも受付が終了します。「気づいたときには終わっていた」という声も珍しくありません。
補助金を取りこぼさないために:契約前の打ち合わせの段階で、「今、使える補助金にはどんなものがありますか」と聞いてみてください。国の制度・市独自の制度の両方を、申請のタイミングまで含めて説明できる会社かどうかは、そのまま会社の情報収集力を見る指標になります。
高浜市・西三河で補助金を検討するときに
高浜市・西三河・知多エリアで注文住宅を検討される場合、まずは建てる予定の市の補助金制度を確認し、そのうえで国の制度と組み合わせて使えるかを整理するのがおすすめです。土地探しの段階から(「高浜市・西三河・知多で土地を探すなら?」も参考にしてください。リンク:/column/tochi-souba-hikaku/)、性能面の計画まで含めて、早い段階でご相談いただくほど、使える補助金の選択肢は広がります。
契約前に、これを聞いてください
(要点ボックス)国の補助金は全国共通ですが、市独自の補助金は市によってまったく違います。高浜市には今のところ新築向けの市独自補助金はありませんが、岡崎市・安城市には独自の制度があります。多くの補助金は契約・着工前の申請が前提です。
- 「今、うちが使える補助金にはどんなものがありますか」と聞く。国と市、両方の制度を説明できるかを見る
- 「その補助金は、いつまでに申請すればいいですか」と聞く。着工前が前提になっていないかを確認する
- 「予算の上限や、終了の見込みは分かりますか」と聞く。年度途中で終了するリスクまで説明できるかを見る
まとめ
補助金は「知っているかどうか」で、数十万円単位の差が出ることがあります。国の制度は全国共通ですが、市独自の補助金は市によって内容がまったく違い、高浜市には今のところ新築向けの市独自補助金はありません。一方で岡崎市・安城市のように独自の制度がある市もあります。そして、多くの補助金は契約・着工前の申請が前提になっているため、早い段階で確認しておくことが欠かせません。制度は年度で変わるため、この記事の内容も定期的に見直しが必要です。
使える補助金を一緒に整理するところから、ご相談を承っています。
■ この記事を書いた人
前田 浩貴(まえだ ひろたか) 有限会社 IN THE HOME 代表 / 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士
愛知県高浜市で注文住宅の設計・施工を手がける。営業任せにせず、建築士である自身がヒアリングから設計、現場管理までを一貫して担当。設計した人間がそのまま現場を見るため、図面通りに建てられることを何より大切にしている。 YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」で家づくりの本音を発信中。
施工エリア:高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・岡崎市・常滑市・半田市・大府市・東浦町ほか西三河/知多エリア
家づくりの本音や現場の様子は、YouTube・Instagram・noteでも発信しています。
▶ YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」 https://www.youtube.com/@inthehome
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