「家は大きいほどいい」と思っていませんか。土地価格・資材価格が上がり、住宅ローンの金利も上昇局面に入った今、必要以上に大きな家を建てないという選択肢も、十分に検討する価値があります。今回は、1人暮らしや夫婦二人の暮らしに最適な「コンパクトハウス」の考え方を、設計から現場管理まで手がける1級建築士の立場から解説します。最後まで読んでいただくと、コンパクトに始めても、必要になったら子供部屋を追加して4人家族に対応できる考え方が分かります。

[写真:コンパクトながら開放感のあるLDKのイメージ]
なぜ今、コンパクトハウスが選ばれているのか
コンパクトハウスが増えている理由は何ですか?
ここ数年、住宅にまつわる3つの数字が同時に上がっています。

土地の価格は、西三河・知多エリアでも上昇が続いています(「高浜市・西三河・知多の土地相場比較」で6市の坪単価を解説しています。
ブログ記事▶ https://inthehome.jp/blog/tochi-souba-hikaku/
資材価格はいわゆる「ウッドショック」以降、円安や人件費の上昇も重なって高止まりが続き、以前の水準に戻る見込みは薄いとされています。そして住宅ローンの金利も、日銀の利上げを受けて上昇局面に入りました(2026年8月時点で変動金利は年1.08%程度、フラット35は年3.29%程度。今後の金融政策次第でさらに変わる可能性があります)。
土地・資材・金利という総額を左右する3つの要素がすべて上向きの今、延床面積を絞ることは、総額を現実的な範囲に収めるための有効な選択肢の一つです。大きな家を我慢するという意味ではなく、「今の暮らしに本当に必要な広さ」を見直すという発想です。

コンパクトハウスは、どんな暮らし方に向いているか
コンパクトハウスは、どんな人に向いていますか?
弊社への問い合わせでも、ここ最近は次のような暮らし方のご相談が増えています。
・独身で、趣味の時間を楽しむための家を建てたい方
・子供が独立し、夫婦二人の暮らしに合わせて家を建て替えたい
・住み替えたい方
・50代のご夫婦が、これからの暮らしを見据えて注文住宅を検討されるケース
世帯人数が減れば、必要な延床面積も変わります。参考になるのが、国土交通省が示す「誘導居住面積水準」です。

[図2:世帯人数別の延床面積の目安]
もちろんこれは目安であり、持ち物の量や趣味のスペースをどれだけ確保したいかによって変わります。ただ、「4人家族向けの家を、そのまま二人で暮らす」という選び方をしている方が実は多く、そこに延床面積を見直す余地があるケースは少なくありません。
コンパクトでも「後から広げられる」設計にする
コンパクトハウスでも、子供部屋は追加できますか?
「コンパクトにしたいけれど、4人家族でも大丈夫?」という声もよく聞きます。ここで大事なのが、最初から「必要な場所を決めておく」ことです。設計の段階で夫婦2人での必要な部屋や面積を考えてから、子供部屋を足していくようなイメージです

[図3:コンパクトに始めて後から広げる間取りの考え方]
具体的には、次のような工夫があります。
・夫婦二人の時期は趣味室
・書斎として使う部屋を、壁の位置や配線
・採光を子供部屋に転用しやすい形で計画しておく
・増築や小屋裏の居室化を見据えて、将来手を加えやすい構造にあらかじめしておく
・LDKや水まわりといった「変えにくい部分」は最初から将来の人数を意識し、個室だけを可変にする
「将来は2人分」という前提で設計しておけば、コンパクトでコストも抑えて家づくりが出来ます。逆に、この前提なしに欲しい分だけの部屋数や面積で設計してしまうと大きな家になり、将来は使わない子供部屋にまで税機やメンテナンス費を掛けてしまうことになります。
これは建物だけの話ではなく、土地もそれなりに大きくなってしまいますので、総額が上がる要因にもなります
では、このコンパクトハウスを住宅会社が提案してくれるのかというと、そうではありません。小さな家でもキッチンやお風呂などの設備や必要な部屋は同じだけあるので大きく建てた方が住宅会社は売り上げがあがるので、大きく建ててもらいのでコンパクトハウスの提案はあまりされないのが現実のようです。
だけど、私は最初からなるべく小さく設計をしています。なるべく無駄を無くして建築コストを抑えることで、将来のメンテや税金などの出費も抑えられて、その予算で趣味や暮らしを楽しむ事が出来ると考えているからです
高浜市・西三河でコンパクトハウスを考えるときに
高浜市をはじめ西三河・知多エリアは、土地の価格も広さも市によって差が大きいエリアです(「高浜市・西三河・知多の土地相場比較」で解説しています。リンク:/column/tochi-souba-hikaku/)。延床面積を抑えられれば、その分を土地の立地条件や性能面に回すという選択もしやすくなります。「広さ」と「立地」「性能」のどこにお金をかけるかを整理する意味でも、コンパクトハウスという考え方は、この地域でこそ検討する価値があります。
契約前に、これを聞いてください
土地・資材・金利という3つの要素が上向く今、延床面積を見直すことは総額を抑える現実的な選択肢です。
「今は二人分、将来は四人分」という前提で設計しておけば、コンパクトに始めても無理なく広げられます。
- 「うちの暮らしに、本当に必要な延床面積はどれくらいですか」と聞く。世帯人数や暮らし方に応じた根拠のある答えが返ってくるかを見る
- 「子供部屋を追加するとしたらどう対応できますか」と聞く。その場で具体的な設計の考え方が説明できるかを確認する
- 「延床を抑えた分、どこにコストを回せますか」と聞く。立地や性能への振り分け方を一緒に考えてくれるかを見る
まとめ
土地価格・資材価格・住宅ローン金利という3つの要素が同時に上向いている今、必要以上に大きな家を建てないという選択肢は、十分に検討する価値があります。1人暮らしや夫婦二人の暮らしには、国土交通省の目安でも約17〜23坪程度が一つの基準になります。
そして、最初から「変化を見込んだ設計」にしておけば、コンパクトに始めても、必要になったときに子供部屋を追加して4人家族に対応することもできます。
今の暮らしに本当に必要な広さを一緒に整理するところから、ご相談を承っています。
■ この記事を書いた人
前田 浩貴(まえだ ひろたか) 有限会社 IN THE HOME 代表 / 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士
愛知県高浜市で注文住宅の設計・施工を手がける。営業任せにせず、建築士である自身がヒアリングから設計、現場管理までを一貫して担当。設計した人間がそのまま現場を見るため、図面通りに建てられることを何より大切にしている。 YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」で家づくりの本音を発信中。
施工エリア:高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・岡崎市・常滑市・半田市・大府市・東浦町ほか西三河/知多エリア
家づくりの本音や現場の様子は、YouTube・Instagram・noteでも発信しています。
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