上棟直後に雨が降って、組み上がったばかりの構造材が濡れてしまった。そんな光景を見て不安になった方は少なくないはずです。「このまま家を建てて大丈夫なのか」という質問を、現場見学に来られた施主の方からよくいただきます。木材が雨に濡れること自体は、上棟から屋根の防水が終わるまでの間によくあることです。大切なのは、濡れたことそのものより、その後どう対応しているかです。1級建築士で1級建築施工管理技士の立場から、何を確認すればいいかを解説します。
上棟後に木材が雨に濡れることは、珍しくありません
上棟(建方)は、柱や梁を組み上げる工事です。その後、屋根の下地(野地板)を張り、防水シート(ルーフィング)を張ることで、ようやく雨が建物の中に入りにくい状態になります。屋根だけではなく壁の防水も出来ていないと現場は塗れてしまいます。
この一連の工程が終わるまでには数日かかることが多く、その間に雨が降れば、組み上がったばかりの構造材が濡れることは珍しくありません。今使われている構造材の多くは、あらかじめ乾燥させた木材(プレカット材)なので、短期間濡れた程度で強度が大きく損なわれるものではない、というのが一般的な理解です。
上棟後の現場の様子は、YouTubeでも紹介しています。 ▶

本当に注意すべきは、「濡れたこと」より「乾かし方」

[図1:乾燥を確認してから進む場合と濡れたまま進む場合の違い]
木材が一時的に雨に濡れることはそんなに問題ではありません、それよりも濡れたまま乾燥を確認せずに、断熱材や壁で覆ってしまうことです。木材の中や床下に水分が閉じ込められた状態で次の工程に進んでしまうと、カビや木材の腐朽につながるリスクが高まります。逆に言えば、雨に濡れても、乾燥する時間を十分に取ってから次の工程に進めば、過度に心配する必要はありません。
木材自体は乾燥していて、吸水するわけではありません。水にしばらくつけておいても含水率はほとんど変わらないぐらいです
作業中はどうしても濡れてしまうタイミングがあります。雨天が予測されていれば、養生をしてなるべく濡れないようにしてくれる会社がほとんどだと思います、それほど真剣室になる必要はありません。
大雨の直後に急いで次の工程を進める会社より、乾燥を待つ余裕を持って工程を組んでいる会社の方が、長い目で見て安心です。
梅雨・台風の時期に上棟するときに気をつけたいこと
高浜市をはじめ西三河エリアは、梅雨や台風の影響を受けやすい地域です。上棟の時期が梅雨や台風シーズンと重なる場合は、雨養生の体制がどうなっているかを、通常の時期以上にしっかり確認しておくと安心です。天候を見ながら工程を柔軟に調整してくれる会社かどうかも、1つの判断材料になります。
雨で柱や壁が濡れる事よりももっと確認しなければならない事があります。それは床下です。降った雨は下に流れますのでその一番下になる部分の床下は床の仕上げ前に乾燥しているのかをしっかり確認する必要があります。
特に最近ではべた基礎がほとんどですので、水は自然乾燥しません。聞いた話ですが、引き渡した後に床下を観たら水が溜まっていたという事例はSNSなどでもよく観ます。また、床の断熱材が吸水性があるとカビが発生してしまいますので、断熱の選定も気を付けたいところです
契約前に、これを確認してください
上棟後に木材が雨に濡れること自体は珍しくありません。大切なのは、乾燥を確認してから次の工程に進んでいるかどうかです。雨養生の方針を、契約前に確認しておくことをおすすめします。
- 「雨養生は、どのように行っていますか」と聞く。ブルーシートなどでの養生の方針を確認する
- 「床下の乾燥状態を確認してくれますか」と聞く。床下の写真で確認をする
- 「雨の後、工程を急がずに乾燥を待つ体制はありますか」と聞く。工程管理の姿勢を確認する
まとめ
上棟後に木材が雨に濡れること自体は、屋根・壁の防水が終わるまでの間によくあることで、過度に心配する必要はありません。本当に注意すべきは、濡れた後にどう対応しているかです。乾燥を確認せずに次の工程を急いでしまう会社よりも、乾燥を待つ余裕を持って工程を組んでいる会社を選ぶことをおすすめします。
上棟後の現場対応について、具体的なご相談も承っています。
■ この記事を書いた人
前田 浩貴(まえだ ひろたか) 有限会社 IN THE HOME 代表 / 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士
愛知県高浜市で注文住宅の設計・施工を手がける。営業任せにせず、建築士である自身がヒアリングから設計、現場管理までを一貫して担当。設計した人間がそのまま現場を見るため、図面通りに建てられることを何より大切にしている。 YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」で家づくりの本音を発信中。
施工エリア:高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・岡崎市・常滑市・半田市・大府市・東浦町ほか西三河/知多エリア
家づくりの本音や現場の様子は、YouTube・Instagram・noteでも発信しています。
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