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高浜市で失敗しない工務店・住宅会社の選び方|1級建築士が「契約前に必ず聞いてほしい」10の質問

  • 2026.08.27
  • 13分で読めます

「工務店選びで家づくりの9割が決まる」。よく言われますし、私もその通りだと思います。

ただ、「高浜市 工務店 選び方」と検索して出てくる記事は、だいたい「実績を確認しましょう」「口コミを見ましょう」「担当者との相性を大切に」で終わっています。これ、現場では何の判断材料にもなりません。実績が多い会社でも現場が荒れていることはありますし、感じのいい担当者ほど契約を取るのが上手いだけ、ということも珍しくないからです。

私は愛知県高浜市で、設計・現場管理・経営まで全部を自分でやってきました。1級建築士であり、1級建築施工管理技士でもある立場から言うと、住宅会社の実力は 「契約前に何を聞かれたときに、どう答えるか」 でかなりの部分が分かります。

この記事では、高浜市・碧南市・刈谷市をはじめ西三河や知多エリアで家を建てる方に向けて、契約前に必ず聞いてほしい質問を10個、そのまま使える形でお渡しします。工務店とケンカする必要はありません。ただ聞くだけです。それだけで、答えられる会社と答えられない会社がはっきり分かれます。

まず前提の話をさせてください。2025年4月に、住宅の法律が2つ大きく変わりました。

ひとつは 省エネ基準の適合義務化 です。すべての新築住宅で、断熱等性能等級4・一次エネルギー消費量等級4以上を満たすことが必須になりました。基準に適合していることが確認できないと、そもそも工事に着手できません。

もうひとつは いわゆる「4号特例」の縮小 です。これまで木造2階建ての住宅は、建築確認申請のときに構造関係規定の審査が省略されていました。2025年4月からは区分が再編され、木造2階建て以上(または延べ面積200㎡超)は「新2号建築物」となり、構造の審査が省略されなくなりました。

ここで多くの方が「じゃあ法律が厳しくなったんだから、どこで建てても同じでしょ?」と考えます。これが一番危ない勘違いです。

最低ラインが引き上げられた結果、そこで止まる会社と、その先まで行く会社の差はむしろ広がりました。だからこそ、聞かないと分からないのです。

質問1:耐震等級3の根拠は、壁量計算ですか? 許容応力度計算ですか?

これが10個の中で一番効く質問かもしれません。

品確法の耐震等級3は、実は2つのルートで取ることができます。簡易な計算である 壁量計算 によるルートと、柱や梁を1本ずつ緻密に計算する 許容応力度計算 によるルートです。同じ「耐震等級3」と書かれていても、中身の精度はまったく違います。

危ないサインは 「耐震等級3“相当”です」 という答えです。「相当」は、第三者機関の評価を受けていないという意味です。自社でそう言っているだけ、という可能性があります。

質問2:地盤調査はいつやりますか? 地盤改良費は見積に入っていますか?

家づくりのトラブルで本当に多いのが、これです。

契約してから地盤調査をするのですが、その結果「地盤改良が必要です。追加費用がかかります」と言われる。すでに契約書にサインしているので断れない。この流れが典型的な揉め方です。しかも、そこまで必要なの?って言う工事で高額な見積もりが出てきます。

「概算でいくら見ておけばいいですか」 と聞いてください。その地域で実際に何棟も建てている会社なら、周辺の地盤の傾向を知っているので、ある程度の金額はすぐ出てきます。「調べてみないと分かりません」だけで終わる会社は、その地域の実績が薄いということです。

質問3:構造の図面(伏図・基礎配筋図)を見せてもらえますか?

これは既存のお客様の図面でも、モデルプランでも構いません。構造の図面をすぐに出せる会社は、自社で構造を理解しています。

「そういうのはプレカット屋さんが作るので」という答えが返ってきたら、構造の全部を外部任せにしている可能性があります。それ自体がすぐに悪いわけではありませんが、少なくとも「自社で判断できる人がいるか」は確認しておいたほうがいいです。

高浜市も碧南市も、衣浦港・衣浦湾に面した町です。そして 同じ市内でも、湾沿いの低地エリアと内陸の台地エリアでは、地盤の条件がまったく違います。 道一本はさんだだけで地盤改良の要否が変わることも、実際にあります。

だからこそ、この地域で土地を検討するときは次の2つをセットでやってください。

  1. 各市が公開しているハザードマップを、土地を決める前に見る。 高浜市も碧南市も、地震・洪水・高潮のハザードマップを公開しています。碧南市は衣浦港沿岸部について、想定最大のケースで高潮による浸水深が示されています。土地の価格が周辺よりなぜか安いときは、たいてい理由があります
  2. その土地の周辺で実際に建てた会社に、地盤改良の概算を聞く。 西三河・知多で長く仕事をしている会社なら、「このあたりは◯◯くらい見ておいたほうがいい」という肌感覚を持っています

夏の暑さも西三河特有の条件です。断熱・気密は「冬の寒さ対策」と思われがちですが、この地域でむしろ効いてくるのは夏です。日射をどう遮るかまで含めて設計できているかは、プランを見せてもらうときの確認ポイントになります。

> この他の土地とお金の話は、YouTubeでも実際の現場を見せながら解説しています。 > ▶https://youtu.be/Ln9jRHeF7kI

質問4:標準仕様のUA値はいくつですか? 断熱等級はいくつですか?

繰り返しになりますが、等級4は最低ラインです。今の実用的なラインは、等級5(ZEH水準)から等級6のあたりだと考えてください。

ポイントは 「標準仕様で」 と付けて聞くことです。「オプションを付ければ等級6までいけます」という答えは、標準では等級4だという意味です。ちなみに弊社は等級6~6.5を設計しています。

質問5:気密測定は全棟やっていますか? C値の実測平均はいくつですか?

気密性能を表すC値には、現在、国の基準がありません。 1999年の次世代省エネ基準にはC値の基準がありましたが、2009年の改正で削除され、それ以来ずっと基準がない状態です。

基準がないということは、会社ごとの差が一番大きく出る項目 だということです。しかも気密は図面では決まりません。現場で職人さんがどれだけ丁寧にテープを貼ったかで決まります。だから実測するしかない。一般的に「高気密住宅」と呼ばれるのはC値1.0以下が目安です。

危ないサインは 「モデルハウスで測ったら0.3でした」 という答えです。聞いているのはモデルハウスの数字ではなく、全棟測っているかどうかその平均値 です。1棟だけの自慢の数字を出してくる会社には、もう一度同じ質問をしてください。インザホームでは第三者機関での全棟測定を実施していてC値0.3以下です(0.4になったことはありません)

質問6:見積書の「一式」を、数量と単価が入った内訳明細にしてもらえますか?

「電気工事 一式 80万円」と書かれた行は、コンセントが何個で照明が何台までなのかが誰にも分かりません。だから着工後に1か所追加するたびに、1万円、2万円と積み上がっていきます。

数量と単価が入った内訳明細さえ出してもらえれば、他社と1行ずつ比較できますし、要らない設備を削って減額の相談もできます。出してもらう費用は0円、頼むだけです。

もちろん「仮設工事 一式」のように金額が小さく中身が決まっている項目まで、うるさく言う必要はありません。危ないのは、金額が大きいのに一式でまとめられている工事です。

質問7:別途工事の概算も、全部出してもらえますか?

見積書の一番下に、小さい字で「別途工事」と書かれていることがあります。地盤改良、外構、カーテン、照明、エアコン、給排水の引込。ここが全部別途になっていると、最終的な総額は300万、400万と平気で変わります。安い見積書ほど、別途が多い。 これは覚えておいてください。

質問8:補助金の申請は、御社でやってもらえますか?

※ここは2026年度の情報です。制度は年度ごとに変わるので、必ず最新の公式情報をご確認ください。

2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」が動いており、省エネ性能の高い新築住宅に対して補助金が用意されています(対象はGX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅)。前年度までの子育てグリーン住宅支援事業から、支援の軸が「子育て世帯」から「住宅の省エネ性能」へ移った形です。

こうした制度は年度ごとに内容も予算も変わりますし、申請には手間がかかります。「うちは補助金の申請はやっていません」という会社も普通にあります。 また、長期優良住宅の認定を取る場合は申請費用が別途かかるので、それがいくらで、見積のどこに入っているのかも一緒に確認してください。インザホームでは原価で構造計算と申請をやっています!やらない理由がないぐらいにしているのは絶対にやった方が良いと考えているからです。

あわせて、高浜市や近隣の市町が独自に実施している住宅取得の補助制度があるかどうかも聞いてみてください。地元で長くやっている会社ほど、こうした自治体の制度に詳しいものです。

質問9:住宅完成保証には入っていますか?

ここは誤解している方が本当に多いところです。

住宅瑕疵担保責任保険は、法律で加入が義務づけられています。 構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について10年間の保証があり、施工会社が倒産していても保険法人から補修費用が支払われます。義務なので、どの会社も入っています。つまり これでは会社の差はつきません。

建設業許可の有無 も聞いておく価値があります。建築一式工事は、請負金額1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150㎡未満であれば「軽微な建設工事」として許可がなくても請け負えます。つまり、30坪程度の木造住宅なら建設業許可がなくても建てられてしまう。許可を取っているということは、経営状況や技術者の要件を満たして審査を通っているということなので、会社の体力を測るひとつの目安になります。

質問10:設計した人と、現場を管理する人は同じですか?

これは10個目にして、実は一番差が出る質問かもしれません。

多くの会社では、営業が要望を聞き、設計担当が図面を描き、現場監督が施工を管理します。3人以上を経由するので、どこかで必ず伝言ゲームが起きます。 「ここはこういう意図でこう納めたい」という設計者の考えが現場に伝わらないまま、現場が納まりやすいやり方で処理されてしまう。図面通りに建たないというのは、多くの場合こうして起きます。

続けて 「現場監督は1人で何棟持っていますか?」 も聞いてみてください。監督が10棟20棟と抱えていれば、1棟あたりに割ける時間は当然減ります。

設計した建築士が、そのまま現場も見る。 この体制になっている会社なら、伝言ゲームがそもそも発生しません。技術力があるかどうかを外から判断するのは難しいのですが、この体制かどうかは聞けば分かります。ここで具体的な仕組み(検査のタイミング、写真の記録、施主への共有方法)がすっと出てくる会社は、間違いなく現場が回っています。

逆に、そこまで気にしなくていいこと

チェックリストと言うと項目を増やしたくなるものですが、判断材料として弱いものもはっきり書いておきます。

契約書にサインする前に、最後の3つ

質問に答えてもらって会社を絞ったら、契約直前にこれだけは確認してください。

  1. 工事請負契約約款と工程表が契約書に添付されているか。 口約束の工期は、遅れたときに何の根拠にもなりません
  2. 支払いのタイミングと割合。 着工金・上棟金・完成金がどういう比率か。前払いの比率が極端に高い契約は、万一のときのリスクが大きくなります
  3. 打ち合わせの記録が議事録として残っているか。 「言った・言わない」は家づくりで最も多い揉めごとです。記録を残す習慣がある会社は、それだけで信頼できます

工務店を選ぶというのは、これから30年以上住む家を、誰に託すかを決めることです。数千万円を払って、納得できない家に30年住み続けることになるかどうかが、契約前のこの数時間で決まります。

もう一度書きますが、ケンカをする必要はまったくありません。 今回の10個を聞くだけです。誠実な会社ほど、こういう質問を歓迎してくれます。逆に、はぐらかされたり、質問した途端に態度が変わったりしたら、それがその会社の答えです。

高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・半田市・東浦町・大府市あたりで工務店を検討されていて、「この見積、これで大丈夫かな」「この会社に任せていいのかな」と迷われている段階でしたら、他社さんで進めている見積書や図面のご相談も承っています。正しい知識を身につけて、賢く理想の家づくりをしましょう。

前田 浩貴(まえだ ひろたか) 有限会社 IN THE HOME 代表 / 1級建築士・1級建築施工管理技士・2級土木施工管理技士

愛知県高浜市で注文住宅の設計・施工を手がける。営業がいない会社で、建築士である自身がヒアリングから設計、現場管理までを一貫して担当。設計した人間がそのまま現場を見るため、図面通りに建てられることを何より大切にしている。規格住宅ではなく、一邸ごとに暮らしに合わせて一から設計するスタイル。YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」で家づくりの本音を発信中。

施工エリア:高浜市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・岡崎市・豊明市・半田市・大府市・東浦町ほか西三河/知多エリア


家づくりの本音や現場の様子は、YouTube・Instagramでも発信しています。

▶ YouTube「1級建築士 まえちゃんの家づくり教室」  https://www.youtube.com/@inthehome

▶ Instagram  @in.the.home  https://www.instagram.com/in.the.home/

▶Instagram @maechan.no.iezukuri (代表前田のアカウント)https://www.instagram.com/maechan.no.iezukuri/

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