住宅会社を選ぶ時にデザインや会社規模や施工事例や営業マン・・・と直ぐ目に入る情報で判断する方が多いです。
もちろん、それらも大切ですが「建築」としての建物についても判断していただきたいです。
どんな事でも簡単に手に入れられる事って、そんなに価値は無いように思います。
難しくてもこのブログで建築の事を少しだけしって、良い家を手に入れて欲しいと心から思っています。
目次
1.基礎とは何か?
基礎は、建物の重量を地盤に伝える役割を果たし、建物を安定させるための重要な部分です。
特に、地震に強い家を建てるためには、基礎の設計と施工が重要となります。
基礎と木造部分の構造は一体になっている必要があります。
その方が、力を伝えやすいからです。
力とは地震や台風です。
地震は地面→基礎→木造と伝わります。
風力は壁→木造→基礎と伝わります。
力の伝達が良い方が地震や台風に強く、構造材も経済的になる傾向があります。
2.地震に強い基礎の定義
地震に強い基礎とは、耐震等級3の基準を満たす基礎のことを指します。
耐震等級3は、建築物が大地震による倒壊や崩壊を防ぐための最高等級です。
熊本地震における木造住宅の倒壊を調べた図です。
注目したいのは耐震等級3の家が16棟しかない事です。
多くの方は「地震に強い家を造ってくれる」と思っているようですが、現実はこの図の通りです。
安い家で基礎が弱く家が倒壊してしまっては、ローンが残っているのに新たに新築する事は難しいです。
もし、2棟目が建てられた場合の構造はどうしますか?
間違いなく次の家は耐震等級3の家にするでしょう。
だったら、最初から耐震等級3の家でしっかりとした設計と施工がされれいる家を選んだ方が賢いです。
↑構造計算書です。
耐震等級の構造計算は30万円ぐらいです。
これで命が守れて、財産も守れるなら安いと思いますが、いかがでしょうか?
3.設計の視点から見た地震に強い基礎
地震に強い基礎の設計で一般の方が分かりやすい内容は「構造ブロックで区画されているのか?」を確認する事です。
この様に地中梁で区画されているのが地震に強い基礎になります。
分かりやすく赤色で囲んでみます。
外周部だけが掘り下げている基礎はダメな基礎です。
構造として成り立っていません。
ネットで拾ってきた基礎の鉄筋写真です。
特に区画も無く、補強もしていません。
第三者機関の検査をしていますが、合格しているからと言って安全ではありません。
検査員は図面通りに工事されているのかを検査するだけで、設計が間違っているのかは検査しません。
設計が間違っていても、図面通りなら合格です。
だから、住宅会社に構造知識があるのかを判断するために基礎の写真を見せてもらってあなたが「構造ブロック」を確認する必要があるのです。
4.施工の視点から見た地震に強い基礎
施工の視点から見ると、以下の要素が重要となります。
- 適切な施工方法: 基礎の施工方法は、地震に対する耐性を大きく左右します。適切な施工方法を選択し、施工を行うことが重要です。
- 品質管理: 施工の品質を確保するために、定期的な検査と評価が必要です。
木造住宅でも基礎は鉄筋コンクリート造になります。
鉄筋コンクリート造の施工管理が出来るのか?
職人に任せきりになっていないか?
現場監督が管理できているのか?
設計がしっかりと出来ていたとしても、施工が出来ていなければ意味がありません。
例えばこの写真、ネットで拾ってきたのですが・・・・
赤丸部分は、施工管理できていません。
鉄筋の継手が同じ場所になっています。
コチラはインザホームの現場写真です。
この様に1本おきに継手をもうけなければなりません。
これは、鉄筋の施工要領なので残念ながら図面には記載されていません。
図面にないから、検査対象でもありません。
だから、検査は合格です。
仮に、これに気が付いてやり直しになったとしたら、全部撤去するぐらいのやり直しになります。
はたして、この指示を現場監督ができるでしょうか?
そうならない為に、事前にこれらの鉄筋の施工要領については確認しておかなければなりません。
他にも管理する事は沢山あります。
その一部を動画にしましたのでご覧ください。
5.住宅会社の見極め方
沢山ある住宅会社を見極めるのはとても難しいと思います。
それでも1社に決めなくてはならないのです。
まず、最初に見極める方法としては、住宅会社が提供する情報の質や量です。
その中に基礎の写真が掲載してあれば、この記事や動画でお伝えした内容で判断できます。
もし、そのような記事やブログがなければ、それを書く社員に余裕がない事になります。
現場がいっぱいで、事務仕事がいっぱいで、とてもブログを書いている余裕がないって事かもしれません。
そんなギリギリの状態であなたの家をお願いしたいでしょうか?
そもそも、ブログなどで情報発信する気がなければ、自社の工事や設計に自信や知識が無いのかもしれません。
インスタの様に写真で視覚の情報は、知識がそれ程必要ではないですし、ブログに比べると簡単かもしれません。
ブログのレベルにもよりますが、このブログぐらいの内容ですと、構成からだと3~4日掛かります。
だいたい、1日1~2時間ぐらいの作業量になります。
しかも、この記事を書いている私は、設計と現場をやっていて、相談や広告もやっている訳で、まあまあ時間が無いのです。
それでも情報発信しているのは、あなたに正しい情報を提供して良い家を手に入れて欲しいと心から願っているからです。
6.結論:地震に強い家づくりのために
地震に強い家を建てるためには、基礎の設計と施工も重要です。
これから家づくりを始める方は、基礎についての知識を深め、信頼できる住宅会社を見つけることが大切です。
地震に強い基礎を持つ家は、安心して暮らすための第一歩です。
以上、地震に強い木造住宅の基礎の見分け方についてのブログ記事でした。
皆様の家づくりの参考になれば幸いです。
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