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2024.09.19

家づくりで失敗しない相見積もりの条件

「相見積もりを取るべきか悩んでいる」「注文住宅で相見積もりを取る際の注意点が知りたい」「マナーを守って効率よく相見積もりを進めたい」——こんな悩みを抱えていませんか?注文住宅の相見積もりは、家づくりにおいて非常に重要なステップです。しかし、やり方を間違えると、時間やお金が無駄になったり、最終的に後悔する結果を招くことも。この記事では、相見積もりを活用して家づくりを成功させるためのポイントを解説します。

■この記事で得られる内容

  1. 相見積もりを取る際の重要な注意点
  2. 相見積もりを取るべきか判断する基準
  3. 相見積もりの正しいやり方とマナー
  4.  

こんにちは、前田です。私は、1級建築士として30年以上建設業界に従事し、20年にわたり住宅会社を経営してきました。その経験に基づいた実践的なアドバイスをお届けします。記事を読んだ後には、相見積もりの進め方や注意点が明確になり、自信を持って家づくりを進められるはずです。ぜひ最後までお読みください。

目次

相見積もりとは何か?その基礎知識

相見積もりとは?

相見積もりとは、複数の業者や会社から同じ内容の見積もりを取ることを指します。注文住宅を建てる際には、1社だけでなく、複数のハウスメーカーや工務店に見積もりを依頼することで、最も適切な価格や条件を確認し、最終的にどの会社と契約するかを決める手助けになります。

相見積もりの目的と意義

相見積もりを取る主な目的は、以下の3つです。

  1. コストの最適化

  2. 業者によって価格の設定や見積もりの内容は大きく異なることがあります。相見積もりを行うことで、コストの不透明な部分を明確にし、どの項目にお金がかかっているのかを理解することができます。最もコストパフォーマンスが高い選択肢を見つけることが可能です。

    業者の信頼性

見積もりの内容や対応の仕方を比較することで、各業者の信頼性や透明性を判断する材料になります。見積もりの段階で不明確な部分が多い業者は、後々トラブルが生じる可能性が高いため、注意が必要です。

サービス内容の比較

価格だけでなく、サービス内容やアフターサポートの範囲も業者によって異なります。相見積もりを行うことで、費用に含まれるサービスの充実度や追加費用の有無を確認し、どの業者が自分の希望に最も近い提案をしてくれるかを比較することができます。たとえば、国土交通省のデータによれば、住宅の建設費用は地域や建築会社の規模によって大きく異なり、しっかりとした比較を行わなければ、見積もり金額が大きく変わる可能性があることが示されています【参考: 国土交通省住宅建築費データ】。このように、相見積もりを活用することで、より正確な建設計画を立てることができるのです。

相見積もりは、同じ条件で複数の会社から見積もりを取ることで、業者間の競争を生み、価格やサービスの比較が可能となります。これにより、建築費用が不当に高くなることを防ぎ、より適正な価格で契約を結べるようになります。

相見積もりが成り立つ条件

依頼する際のタイミングは?見積もり料金は無料?

相見積もりを依頼する際の適切なタイミングについて考えることは、非常に重要です。一般的に、住宅を建てる計画がある程度固まった段階で見積もりを依頼するのが良いとされています。具体的には、土地が決まっており、建物の規模や予算が明確になってから依頼するのが理想的です。計画がまだ漠然としている段階では、見積もりの精度が低くなり、予算オーバーやトラブルの原因になることもあります。

さらに、多くのハウスメーカーや工務店では、見積もり自体は無料で提供されています。ただし、詳細な設計プランや特殊な仕様が必要な場合には、追加の費用がかかることもあります。そのため、事前に見積もりに関する費用が発生するかどうかを確認しておくことが大切です。注文住宅の相見積もりには土地や建築プランが確定していることが前提とされており、これらが未確定な場合、見積もり金額が大きく変動するリスクがあるとされています。こうしたデータからも、適切なタイミングで相見積もりを取ることが重要であることがわかります。

住宅会社と一緒に土地探しからスタートして、プランをする場合は、会社それぞれに土地や仕様などの条件が違いますので、相見積もりにはなりませんのでご注意ください。

同じ条件で依頼することの重要性

相見積もりを取る際には、複数の業者に同じ条件で依頼することが必要不可欠です。なぜなら、異なる条件で見積もりを依頼すると、価格の比較が正確にできないためです。たとえば、A社には高性能な断熱材を指定し、B社には標準的な断熱材を指定した場合、単純な価格差ではなく、仕様の違いによる費用の差が生じてしまいます。すべての業者に対して、同じ建築規模、仕様、設備などを指定し、それに基づいて見積もりを依頼することで、正確な比較が可能となります。特に注文住宅では、細かい仕様や要望が多いため、見積もりの依頼時にはあらかじめ要望をまとめておくことが大切です。

ポイントとしては、以下の点を統一することが重要です。

建物の規模(延床面積など)・仕様(断熱材、窓の性能など)・設備(キッチン、バスルームのグレードなど)・工期や納期

こうした統一された条件に基づいて相見積もりを行うことで、各社の対応力や価格設定の違いを正確に把握することができます。

具体的な条件を伝える

相見積もりを依頼する際には、できるだけ具体的な条件を業者に伝えることが求められます。曖昧な要望や不明確な条件で見積もりを依頼すると、最終的な金額が大きく変動する可能性があります。たとえば、建物の規模やデザイン、使用する素材などを明確にし、できるだけ詳細な内容を業者に伝えるようにしましょう。具体的な条件を伝えるためには、以下のポイントを考慮してください。

予算:全体の予算を事前に業者に伝え、それに合わせたプランを提案してもらいましょう。

間取り:どのような部屋数、レイアウトにするのかを伝えると、より正確な見積もりが可能になります。

使用する素材:床材や壁材などの素材について、希望する種類やグレードがある場合は明確に伝えておくことが大切です。

デザインの要望:外観や内装に関する具体的なイメージを伝えることで、業者側も適切な提案を行いやすくなります。

例えば、「3LDKの平屋で、木造の家を建てたい」「予算は3000万円以内で、断熱性能の高い家にしたい」といった要望を明確に伝えることで、業者もその条件に合わせた見積もりを作成してくれます。具体的な条件が明確であればあるほど、見積もりの精度が上がり、後々のトラブルを防ぐことができます。このように、相見積もりの成り立つ条件として、依頼のタイミングや条件の統一、具体的な要望の伝達が重要です。それらをしっかりと抑えた上で見積もりを依頼すれば、最適な業者を選び、満足のいく家づくりを実現できるでしょう。

相見積もりを取るべきか悩んでいる人へ

相見積もりを取らない方がいいって本当?

結論から言うと、注文住宅で相見積もりを取ることは非常に有効です。家づくりには大きな費用がかかるため、少なくとも2~3社から見積もりを取って比較することが推奨されています。これにより、各社の価格設定や提供するサービスの違いを把握し、自分に合った業者を選ぶことができます。ただし、「相見積もりを取らない方がいい」という意見も一部で見られます。これは、業者との信頼関係が重要な注文住宅の取引では、あまりにも価格交渉にこだわると、業者側が最適な提案を控える可能性があるためです。業者を慎重に選び、信頼関係を築くことが大切です。

相見積もりを取るメリット

相見積もりを取ることには、以下のような大きなメリットがあります。

価格の比較ができる

業者によって価格が異なるため、相見積もりを行うことで最もコストパフォーマンスの良い選択ができます。同じ仕様の家でも、業者ごとに見積もり金額が大きく異なることがあります。

  1. サービス内容を把握できる

 単に価格だけでなく、業者ごとに提供するサービスの内容も比較できます。アフターサービスや保証内容、設備のグレードなどが異なるため、相見積もりを通して、最も希望に合った業者を選ぶことができます。

  1. 業者の信頼性を確認できる

 相見積もりを依頼した際の対応や説明の丁寧さを比較することで、業者の信頼性を評価できます。見積もりの内容が不明確だったり、対応が遅い業者は、契約後の対応にも不安が残ることがあるため、慎重に選ぶべきです。

家づくりのこだわりポイントが明確になる

相見積もりを取ることで、自分の家づくりにおけるこだわりポイントが明確になることもあります。複数の業者と話をすることで、各社の提案を比較し、自分が何を優先したいのかを再確認できるからです。例えば、デザインにこだわりたいのか、設備のグレードを重視するのか、それともコスト削減を最優先にするのか。業者ごとに異なる提案を受けることで、家づくりにおける自分の優先事項が見えてきます。

失敗のリスクを減らせる

相見積もりを取ることで、家づくりの失敗リスクを減らすことができます。1社だけで契約を進めると、他の選択肢がないため、業者の提案が最適であるかどうかの判断が難しくなります。しかし、相見積もりを行うことで、複数の提案を比較し、最も信頼できる業者を選ぶことができるため、トラブルや後悔のリスクを最小限に抑えられます。特に、見積もり内容の透明性や、予算に対する適切な提案を受けることができるかどうかは、失敗を防ぐために重要なポイントです。また、業者からの提案をもとに新しいアイデアが生まれたり、予算内でできることをより明確に把握できるため、最終的なプランの決定に役立ちます。

相見積もりを取ることで生じるデメリット

一方で、相見積もりを取ることで以下のようなデメリットも考えられます。相見積もりはなかなかのハードルが高く、初めて家づくりをされる方は、分からない単語や数値が出てきてそれを他社へ正確に伝えることも難しいものです。毎週の休みが住宅会社との打ち合わせになります。4社との相見積もりの打ち合わせ・提案・説明で3回行けば、12回×2時間=24時間は覚悟が必要になります。

同条件にするのが難しい

相見積もりを行う際、各社の標準仕様が異なるため、完全に同じ条件での比較が難しいことがあります。例えば、A社では標準仕様として含まれている設備が、B社ではオプション扱いになる場合があるため、見積もりの金額を単純に比較するだけでは正しい判断ができません。このような場合は、設備や仕様をリストにまとめ、それぞれの業者がどの範囲までカバーしているかを確認することが重要です。特に、オプションや追加費用が発生する項目については、しっかりと確認し、同じ基準で評価するようにしましょう。

時間やコストがかかる

相見積もりを取るには、時間や手間がかかります。複数の業者と打ち合わせを重ね、それぞれに異なる提案を受けながら最終的な判断をする必要があるため、忙しい方にとっては大変なプロセスになることもあります。ただし、時間をかけてしっかりと比較することで、後々のトラブルや不満を防ぐことができるため、慎重に進めることが大切です。

最終的に断るのが大変

相見積もりを取った後、選ばなかった業者に断りを入れることも、大きなストレスになることがあります。特に、複数回の打ち合わせや丁寧な対応をしてくれた業者に対して断りを入れるのは、気まずい思いをするかもしれません。しかし、業者も相見積もりを前提として見積もりを出していることが多いため、誠実にお礼を述べて断ることが一般的です。

相見積もりのやり方とマナー

相見積もりを依頼する際には、業者に対して誠実な対応を心がけることが重要です。見積もりを複数社から取ること自体は当然の行為ですが、業者側にもその事実を伝えることで、お互いに納得した状態でプロジェクトを進めることができます。マナーを守ることで、トラブルを避け、最終的により良い関係を築くことができます。

相見積もりをすることを伝える

相見積もりをする際には、業者に「他社からも見積もりを取っています」と伝えることが重要です。相見積もりを取ることは一般的なプロセスですが、業者によっては気まずいと感じることもあります。相見積もりを事前に伝えておくことで、業者とのコミュニケーションがスムーズになりますし、信頼関係も構築しやすくなります。また、正直に相見積もりを取っていることを伝えることで、業者も価格やサービスの競争力を意識し、最適な提案をしてくれる可能性が高まります。たとえば、「他社の見積もりではこういった内容が含まれていた」と具体的に比較して伝えることで、値引きや追加のサービスを受けられることもあります。

なるべく同条件で見積もりしてもらう

相見積もりを行う際に最も重要なのは、各業者に同じ条件で見積もりを依頼することです。異なる条件で見積もりを依頼すると、正確な比較ができなくなります。たとえば、A社には高性能な断熱材を指定し、B社には標準的な断熱材を指定した場合、単純な価格差ではなく、仕様の違いによる金額差が生じてしまいます。比較を正確に行うためには、以下のような項目を統一する必要があります。

– 建物の規模(延床面積や階数など)- 仕様(断熱材、窓の種類など)- 設備(キッチンやバスルームのグレードなど)- 付帯工事(外構工事、地盤改良など)これらを統一して見積もりを依頼することで、各業者の提案や価格を正確に比較できるようになります。

期限を決めておく

相見積もりを依頼する際には、必ず期限を設定して伝えましょう。見積もりの作成には時間がかかるため、いつまでに見積もりを提出してもらいたいかを明確に伝えることで、業者もスケジュールを立てやすくなります。たとえば、「〇月〇日までに見積もりを提出してください」と具体的な期限を伝えることで、見積もりの提出が遅れることを防ぎ、効率よく比較検討が進められます。期限を決める際には、無理のない期間を設定することが重要です。見積もり作成には通常1~3週間程度かかることが多いため、余裕を持ったスケジュールで依頼するようにしましょう。

また、この期限はあなたがいつまでに住宅会社の決定をするのかの期限も含まれます。住宅会社としては、せっかく手間をかけて見積もりをしたのに連絡もなく、いつの間にか他社で着工していたのを知るとがっかりします。逆の立場になると分かると思います。見積もりをするのにも結構な労力が必要になることを理解してください。

断りの連絡は必ずする

相見積もりを取った後は、選ばなかった業者に対して必ず断りの連絡をしましょう。相見積もりは一般的なプロセスですが、業者は見積もり作成に時間と労力をかけているため、連絡なしに放置するのは避けるべきです。連絡の際は、「今回は他社と契約することになりました」と正直に伝え、感謝の言葉を添えることで、業者との良好な関係を保つことができます。業者によっては、将来的にまた依頼することも考えられるため、丁寧な対応が求められます。

最後に、見積もりを作成してくれた業者には感謝の気持ちを伝えましょう。選ばなかった業者に対しても、「見積もりを丁寧に作成していただきありがとうございました」と伝えることで、今後の取引においても良好な関係を築くことができます。

見積もりを比較する時のポイント

すべての費用が入っているか(本体工事費、付帯工事費、諸経費)

注文住宅の見積もりを比較する際、まず確認するべきポイントは、すべての費用が含まれているかどうかです。特に、以下の3つの費用は見積もりに必ず含まれているべきです。

  1. 本体工事費

 これは、家そのものを建てるための費用であり、壁、床、屋根などの構造部分にかかる費用です。この費用がしっかりと見積もりに含まれていなければ、後から予算オーバーになることがあります。

  1. 付帯工事費

 付帯工事費は、家の建築以外にかかる費用で、外構工事やガレージ、庭の整備などが含まれます。付帯工事費を含まない見積もりでは、完成後に追加費用が発生することが多いため、注意が必要です。

  1. 諸経費

 諸経費は、申請手続き費用や設計費、その他の雑費などです。多くの場合、この項目が見積もりの中に含まれているかは明確ではないことがあり、結果的に追加費用が発生することがあります。契約前に、諸経費がすべて含まれているかを確認することが重要です。また申請費については様々な申請があります。例えば、確認申請、長期優良住宅、建築許可、開発許可、ZEH、・・・・それぞれに申請費用が必要になりますので、確認をしてください。

ポイントとしては、業者によって本体工事費や付帯工事費の範囲が異なることがあるため、詳細な内訳を確認し、それぞれの費用項目が見積もりに含まれているかどうかを慎重に見比べる必要があります。たとえば、地盤改良や外構工事などが別途費用になる場合もあるので、あらかじめ確認することが大切です。

設備のグレードを品番やサイズで把握する

見積もりを比較する際には、設備のグレードや仕様も確認しましょう。キッチンやバスルーム、床材など、家の内部の設備のグレードによって、価格が大きく変わります。そのため、同じキッチンやバスルームといっても、品番やサイズが異なれば費用も異なるので注意が必要です。たとえば、ある業者は「システムキッチン込み」と記載していたとしても、実際には標準的な仕様のものが含まれており、オプションでグレードアップが必要になることもあります。このようなケースでは、追加費用が後からかかるため、事前に確認することが大切です。確認のポイントとしては、次のような項目があります。

– キッチンやバスルームのグレード(メーカーやモデル名)- 窓やドアなどの断熱性能や仕様- 床材や壁材の種類とグレード

設備のグレードは、注文住宅の価格を大きく左右するため、仕様書に記載されている品番やサイズを確認し、業者ごとにどのレベルの設備が含まれているかを比較することが必要です。また、同じグレードの設備であっても、オプション追加が必要な場合があるため、その点も確認しましょう。

土地が決まっていないと正確な金額が出ない

注文住宅の見積もりを正確に比較するためには、建築予定の土地が確定していることが重要です。土地の条件によっては、建設費用が大幅に変動することがあるため、土地が決まっていない状態での見積もりは、あくまで参考にしかならないことがあります。たとえば、土地の地盤が弱い場合、地盤改良費が別途必要になります。また、狭い道路に面している土地では、工事の際にクレーン車などが入りにくく、運搬費用や工事費用が割高になることもあります。こうした要素を見積もりに反映させるには、具体的な土地の条件が必要です。

注意点として、地盤調査費や土地の造成費など、土地に関連する費用が見積もりに含まれているかも確認することが大切です。地盤改良が必要な場合や、敷地に大きな傾斜がある場合は、その分の追加費用が発生することがあります。

諸費用が見積もりに含まれているか

最後に、見積もりには諸費用が含まれているかを確認しましょう。諸費用とは、家の建築そのもの以外にかかる費用で、税金や申請手数料、引っ越し費用、家具購入費などが該当します。これらの費用が予算に含まれていない場合、家が完成した後に追加費用が発生し、予算オーバーとなるリスクがあります。以下の諸費用は、必ず確認すべき項目です。

– 不動産取得税や登録免許税: 住宅を購入する際にかかる税金で、建物や土地の取得時に発生します。

– ローン手数料や火災保険料: 住宅ローンを組む際に必要な手数料や保険料です。これらは初期費用に含まれることが多いですが、業者によっては別途請求される場合もあります。

-インテリアや引っ越し費用:引っ越しや家具の購入費用も計算に入れておかないと、予算オーバーの原因になります。

これらの諸費用は、業者が見積もりの中で提示しないことが一般的です。注文住宅の計画を進める上で重要な費用です。契約前に諸費用がどれくらいかかるのかを確認し、総額を把握することで、後々の予算不足を防ぐことができます。

 

予算オーバーした場合の対処法

注文住宅の見積もりを見たときに、予算オーバーしてしまうことはよくあります。しかし、これをどう解決するかが、家づくりの成功に大きく影響します。予算内に収めるためには、まずは削れる部分と削れない部分を整理し、優先順位を明確にしてコストダウンを検討することが大切です。

削れない部分、削れる部分を整理する

家づくりでは、コスト削減を考える際に、どの部分を削ることができるか、そして削れない部分が何かを明確にすることが重要です。削ってしまうと家の性能や生活の快適さに影響を及ぼす部分は避けるべきですが、それ以外の部分で無駄を省くことがポイントです。

削れない部分の例

 構造や耐震性に関わる部分 :  地震が多い日本では、耐震性や家の構造に関わる部分を削ることはおすすめできません。日本の建築基準法でも、建物の耐震性は非常に厳しく定められています。これに加えて、長期優良住宅制度などの公的制度を利用する場合、構造部分に高い基準が求められるため、これを軽視してしまうと、長期的に見たコストパフォーマンスが悪くなります。

断熱材や窓の性能:  快適な住環境を維持するために、断熱材や窓の性能も重要です。断熱性能を高めることで冷暖房費を抑えることができ、ランニングコストが削減されます。また、断熱性能を犠牲にすると、家の中の温度が外気の影響を受けやすくなり、生活の質が低下する可能性があります。

設備や配管などの基礎インフラ:  水道や電気、ガスといった基礎インフラに関わる部分は、後から修繕するのが難しく、大きなコストがかかるため、最初の段階でしっかりとした設備を整えることが重要です。これらは生活に直結するため、無理に削減しない方が賢明です。

 削れる部分の例

内装や仕上げの素材:  内装の壁材や床材、天井材などの仕上げ部分は、比較的コストを調整しやすい部分です。たとえば、天然木のフローリングを使用する代わりに、合板フローリングやクッションフロアを使用することで、コストを抑えることができます。また、壁紙や塗装も、選ぶ素材によって大きく費用が変わります。

オプションやグレードアップの設備:  最新の設備や高性能のオプションを全て選ぶと、予算が膨らみます。キッチンやバスルームの設備について、全てを最高グレードにするのではなく、自分にとって必要な部分だけを選ぶことで、コストを削減できます。たとえば、最新の食洗機や自動調整機能付きの照明などが不要であれば、それらを選ばないことで予算を抑えることができます。

外構や庭のデザイン:  庭や外構に関しては、最初からすべてを完璧に整えなくても、後から必要に応じて追加や変更ができる部分です。簡易的なフェンスや駐車場のみを最初に作っておき、後々のタイミングでガーデニングを行うことで、初期費用を抑えることができます。

優先順位を付けてコストダウンする

予算をコントロールするために、どの項目を優先すべきかをしっかりと決めることが、コストダウンを成功させるための鍵です。全てを高品質にしたいという気持ちはあるかもしれませんが、すべてにこだわると予算オーバーになりがちです。そこで、自分や家族の生活スタイルにとって、本当に重要なポイントを決めておくことが大切です。

長く住む家なら耐久性を最優先

長く住む家であれば、建物の耐久性やメンテナンス性を重視することが重要です。外壁や屋根材など、長期的な維持費がかかる部分に関しては、初期投資をしっかり行うことで、後々のリフォーム費用や修繕費を抑えることができます。

ライフスタイルに合った設備を選ぶ

家族構成やライフスタイルによって、どの設備が必要かが異なります。例えば、小さい子どもがいる家庭では、子どもが使いやすい設備や安全性を重視した方がよいでしょう。また、仕事や趣味で自宅で過ごす時間が多い人にとっては、快適なリビングや書斎の設備が優先されるかもしれません。

将来的に変更が難しい部分を優先

一度建てた後で変更が難しい部分、例えば間取りや構造、断熱性能などは、最初の段階でしっかりと決めておくべきです。内装の変更や設備の追加は、比較的後からでも変更できるため、予算に応じて後回しにすることができます。

結論

予算オーバーした場合の対処法は、削れる部分と削れない部分を明確にし、優先順位を付けてコストダウンを進めることです。家づくりにおける重要なポイントを抑え、生活スタイルに合った優先順位をつけることで、満足度の高い家を予算内で実現することが可能になります。

まとめ

今回は、注文住宅における相見積もりの重要性とポイントを解説しました。相見積もりを正しく行うことで、家づくりの成功率を高めることができます。

相見積もりのポイント

  1. 条件を統一して見積もりを取る
  2. 必要な費用項目を正確に確認する
  3. 信頼できる業者を慎重に選ぶ

家づくりを成功させるためには、相見積もりを活用することが不可欠です。さらに詳しい相談やアドバイスが必要な方は、ぜひ無料の家づくり相談にご参加ください。お申し込みはココをクリック

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