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GX志向型住宅って何?これからの暮らしに必要な家のかたち
最近、「GX志向型住宅(ジーエックスしこうがたじゅうたく)」という言葉を耳にしたことはありませんか?聞き慣れない言葉かもしれませんが、これからの家づくりを考えるうえで、とても重要なキーワードなんです。
GXとは?簡単にいうと「未来にやさしい取り組み」
GXとは「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)」の略。地球温暖化を防ぐために、エネルギーの使い方や暮らし方を見直していこうという考え方のことです。
たとえば、電気やガスの使用量を減らしたり、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用したり。そんな「環境にやさしい暮らし」を目指す動きが、日本でも本格的にスタートしています。
GX志向型住宅とは?
GX志向型住宅とは、「エネルギー効率が高く、環境への負荷を減らすことを目指した住宅」のこと。国土交通省が2023年から力を入れて推進しており、以下のような特徴があります。
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断熱性能が高い:冷暖房に頼りすぎず、少ないエネルギーで快適に暮らせます
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省エネ設備を備えている:LED照明や高効率エアコンなど、電気のムダを減らします
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再生可能エネルギーを活用:太陽光発電や蓄電池を取り入れ、エネルギーを自給自足できる仕組みへ
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将来的なエネルギー価格の上昇にも強い:長期的に見れば光熱費の節約にもつながります
GX志向型住宅には補助金が使えます!国の制度を上手に活用しよう
「GX志向型住宅がいいのは分かるけど、高性能な分だけ費用が高くなりそう…」
そう思った方もいるかもしれません。実は、今なら国の補助金を活用して、GX志向型の家づくりがお得にできるチャンスなんです。
今回は、家を建てるときに活用できる代表的な補助金制度をご紹介します。
子育てグリーン住宅支援事業とは?
「子育てグリーン住宅支援事業」は、国土交通省と環境省が連携して実施する補助金制度です。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、省エネ性能の高い住宅の普及を促進し、特に子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅取得を支援することを目的としています。子育てグリーン住宅支援事業【公式】
補助対象となる住宅と補助額
本事業では、新築住宅とリフォームの両方が補助対象となります。以下に、主な補助対象住宅と補助額をまとめました。子育てグリーン住宅支援事業【公式】子育てグリーン住宅支援事業【公式】
新築住宅
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対象世帯 |
補助額(1戸あたり |
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GX志向型住宅 | 全ての世帯 | 160万円 |
長期優良住宅 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 80万円(※) |
ZEH水準住宅 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 40万円(※) |
※既存住宅の除却を伴う場合、補助額が20万円加算されます。子育てグリーン住宅支援事業【公式】
GX志向型住宅にするための注意点(知多地区、西三河地区)
ここまでは、GX志向型住宅に概要についてお伝えしました。国のサイトを簡単にまとめたものですので、詳細は張り付けてあるリンクでご確認ください。ここからは、GX志向型住宅の注意点をお伝えします。愛知県の知多地区・三河地区についての考察になりますので、ご注意ください。
補助金なので・・・
GX志向型住宅を採用することで160万円の補助金がでますが、あくまでも補助金ですので全てを賄う事はできません。どの仕様にどれくらいの金額がかかるのかを知ることで採用するのかの判断ができます。また、仕様を上げすぎても補助金の額は変わりませんので、住宅会社の言いなりにならないように注意が必要です。地域に合った仕様にすることでコスパよく省エネな家を建てることが出来ます。それでは、ここからは具体的な仕様についてお話していきます。
太陽光発電について
生産エネルギーである太陽光発電を採用します。その容量は6KW以上は欲しいです。屋根に乗せるのが一般的ですので、2階建ての2階の屋根に乗せることを前提に検討してきましょう
どれくらいの屋根面積が必要なの?
メーカーによって面積は変わりますがおおよそ1KWで畳3枚分より少し小さいぐらいです。6KW必要であれば、18帖ぐらいの根面積が必要になります。
屋根の形状は?切妻の場合
太陽光を設置する面は南面になります
切妻は屋根の半分が太陽光を設置する場所になります。北面に設置しても初団効率が悪いですからね。そうなると2階の床面積は太陽光発電の18帖×2になり36帖の2階床面積が最低限必要になります。結構大きな住宅になります。
屋根の形状は?片流れの場合
全面に太陽光を設置できるのが片流れです
2階の床面積が18帖以上になりますので、6帖の部屋が3つと階段と廊下ぐらいの一般的な構成の家になります。ただし、片流れは勾配がある程度なければ、太陽光発電の効率が悪くなります。その為に勾配を上げると、建物に縦長感がでてデザイン的に難しくなります。
金額は?
おおよそですが、1KW当たり25~30万円ぐらいになります。6KW×27.5万円=165万円が相場になります。商品によって違うので確認してください。補助金などのメリットについては最後にお伝えします。
省エネの設計は?
生産エネルギーの設置よりも、こちらの方が難しい問題になります。再生エネルギーを含めて100%以上の1時消費エネルギー削減を満たす住宅にしなければなりません。GX志向型住宅は1次消費エネルギー削減率を35%以上になるので設備などを高性能にする必要があり、初期コストがかかります。簡単にどれくらいの仕様になるのかをお伝えします
断熱等級6
愛知県の知多地区・西三河であれば、UA値0.46になります。ηAC値(夏に窓から入る日射量の指数)は2.8ですが地域的には問題はありません。どちらも数値が小さいほど良いです。
ここで一番注目されるのが、樹脂サッシになると思います。例えばリクシルの樹脂複合サッシとYKKの樹脂サッシの高性能の方(APW430)では、おおよそ2倍ぐらいの価格差があります。地域的にはリクシルの樹脂複合サッシでもUA値はクリアできます。住宅会社としては高額な商品が売れた方がいいので樹脂サッシを採用してもらった方がよいのかもしれないですね。
ちなみに、インザホームではどちらも可能です。リクシルの樹脂複合サッシでも断熱等級6はクリアしています。断熱性能は窓だけではなく、総合的に設計するとコストは下がります。
空調・換気設備
空調は高性能エアコンを選択することになります。一般的な壁掛けエアコンではエネルギー消費が大きくなります
換気扇は、熱交換換気扇が有利になります。熱交換率80%以上のものを選択したいです。とはいえ、数値上の熱交換率になりますので、実際には気密工事が必要になります。気密の目安としてはC値0.4未満にしなければ理想的な計画換気はできないと言われています。
第3種換気扇であれば、消費電力0.05以下にします。
給湯
実は、住宅の消費エネルギーの25%ぐらいは給湯になります。お風呂やシャワーやキッチンのお湯ですね。ちなみに暖房は30%ぐらいで冷房は5%ぐらいです。お湯って結構なエネルギーになります。
オール電化で有効なのは、エコキュートです。もちろん、高性能なエコキュートになります。ガスの場合は、エコワンになりますので、設備の金額はかなり上がります。
その他
その他にもエネルギー消費を削減できる設備としては、高断熱浴槽、水栓(水優先吐水、小水量吐水)、LED照明など消費エネルギーを35%削減するのは設備で予算が必要になりそうです。
まとめ
GX志向型住宅にするには、設備機器を高性能にする必要があります。何を選ぶのかで金額も変わってきますので、設計者とよく話あって仕様を決めてください。また、補助金が160万円でますが、比べる仕様によってはそれ以上の金額になります。
省エネ等級4(UA値0.87)からGX志向型住宅にグレードアップすると300万円ぐらいになるでしょう。そのうちの160万円の補助金がですので、150万円ぐらい予算を増やしてもいいとかんがえるのならアリだと思います
その他の考え方があります。太陽光発電のお得なつけ方、効率的なエネルギー消費削減など文章では伝えると長文になってしまいますので、無料相談をご利用ください。1級建築士の前田がお伝えいたします。賢く補助金を利用して、家全体のバランスの良い性能にして、地域に合った設計にすることが重要です。