注文住宅を建てるときにネックになるのが土地探しです。希望に合う土地がどれくらいの金額で、その土地にどんな家が建つのか?分からない状態で土地を購入される方が多いように感じます。そこで、今回は土地の探し方についてお伝えいたします。1級建築士として家づくりにかかわり、三河、知多で多くの土地を見てきました。その中にはお客様のご希望でも買ってはいけない土地もありました。それらの経験をお伝えできたらと思います。
土地探しの基本ポイント
希望するエリアの選び方
土地探しを始める際、まず重要なのは希望するエリアを明確にすることです。エリア選びは生活の質に直結するため、慎重に検討する必要があります。
ポイント
ライフスタイルに合った場所: 都会の利便性を重視するのか、自然環境を求めるのかで選ぶ地域が変わります。
教育施設や医療機関: 家族世帯では、近隣に学校や病院があるかどうかが大切です。
交通アクセス: 通勤や通学に便利な場所を選ぶことで、日々のストレスを軽減できます。
治安や環境: 安全性や地域の雰囲気も重要です。自治体が発表している犯罪統計を参考にするのも一案です。
実例
Aさんは名古屋市内に通勤するため、知多市の駅近エリアを選びました。通勤時間は片道30分以内で済み、さらに子どもの学校が徒歩圏内にあるため、家族の時間を十分に確保できています。一方、Bさんはリモートワークが主な働き方のため、自然豊かな三河地域の広めの土地を購入。週末には近くの山でハイキングを楽しむなど、仕事とプライベートを充実させています。
予算設定と価格帯の確認
土地購入において、予算の設定と価格帯の把握は非常に重要です。無理のない資金計画を立てることで、家づくりを含めた全体の計画がスムーズに進みます。
ポイント
土地代と建築費のバランス: 一般的に、家づくりの予算は「土地代:建築費=3:7」程度が理想と言われていますが、この地域で「4:6」か「5:5」が多いように思います
周辺の相場調査: 希望するエリアの土地価格を事前に調べ、予算に合うか確認します。
追加費用の確認: 登記費用や仲介手数料など、土地購入に伴う諸費用も考慮しましょう。
注文住宅に適した土地の選び方
家族のライフスタイルに合う場所
土地選びでは、家族全員が快適に生活できる場所を選ぶことが重要です。それぞれの家族が求める生活スタイルに合った土地を見つけることで、日常生活の満足度を高めることができます。
ポイント
教育環境: 子どもがいる家庭では、学校や保育施設の近さを確認することが大切です。
職場へのアクセス: 通勤時間が長くなりすぎないよう、職場へのアクセスの良さを優先する必要があります。
趣味やライフスタイル: 自然の多いエリアを好む人は公園や山の近く、都市型の生活を好む人は駅や商業施設の近くを選びましょう。
地域コミュニティ: 新しい環境で安心して暮らすためには、地域コミュニティの雰囲気も考慮することが重要です。
理由や根拠
国土交通省の「住生活基本計画」によれば、家族構成やライフスタイルに合った場所を選ぶことは、長期的な満足度や生活の安定性に直結します。特に子育て世帯では、学校や医療機関のアクセスが近い地域を選ぶ傾向があると報告されています。
実例
Aさん一家は、子どもの教育環境を最優先に考え、小学校まで徒歩5分という立地の土地を購入しました。結果として、子どもは通学が安全で便利になり、親も送り迎えの負担が軽減されました。一方、Bさんは自然が豊かな地域でアウトドアを楽しみたいと考え、郊外の緑豊かな土地を選びました。週末には家族で近隣の山へハイキングに出かけるなど、充実した生活を送っています。
交通アクセスと周辺施設のチェック
土地を選ぶ際には、交通アクセスや周辺施設の充実度を確認することが重要です。日常生活の利便性が確保されていると、快適な暮らしが実現します。
ポイント
公共交通機関: 最寄り駅やバス停までの距離を確認します。特に電車通勤が必要な場合、駅近の土地は利便性が高いです。
商業施設: スーパーやコンビニなど、日常的に利用する施設が近いと生活が便利になります。
医療施設: 病院や診療所へのアクセスも確認し、緊急時に備えることが大切です。
娯楽施設: ショッピングモールや映画館、公園など、休日を楽しめる施設が近くにあるとより便利です。
理由や根拠
総務省の統計データによると、都市部へのアクセスが良い土地は不動産価値が高く、長期的な資産形成においても有利です。また、周辺施設が充実している地域は家族世帯や高齢者世帯からの人気が高く、移住希望者の増加につながっています。
実例
Cさんは駅から徒歩10分の土地を購入し、通勤時間を大幅に短縮することができました。さらに、駅前にスーパーやカフェがあるため、帰宅途中で買い物を済ませられる点も便利です。Dさんは、病院や薬局が近くにある土地を選びました。小さな子どもの急な体調不良にもすぐに対応できる環境が整っています。
結論(まとめ)
注文住宅を建てる際に適した土地を選ぶには、家族のライフスタイルに合う場所と交通アクセス・周辺施設のチェックが不可欠です。教育や職場への利便性、趣味や生活スタイルを考慮しながら、将来を見据えた土地選びを行うことで、快適で満足度の高い生活を実現できます。各地域の特性をしっかりと調べ、自分たちにとって最適な土地を見つけましょう。
土地購入の手続きと注意点
契約時のポイント
土地購入の契約時には、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。不動産取引は高額であり、手続きが複雑になるため、事前に十分な準備と確認を行うことが重要です。
ポイント
重要事項説明の確認: 不動産会社から交付される重要事項説明書には、土地の権利関係や法的な制限、周辺環境についての情報が記載されています。これをしっかり読み、不明点は必ず確認しましょう。
契約書のチェック: 契約書には、土地の引き渡し条件、支払いスケジュール、解約時の規定などが記載されています。専門家に依頼して内容を確認すると安心です。
仮契約と手付金: 仮契約時に手付金を支払う場合があります。この金額や返還条件についても十分に理解しておきましょう。
理由や根拠
国土交通省の「不動産取引に関するガイドライン」によると、契約前に重要事項説明を理解することは、トラブル防止の観点から非常に重要とされています。また、契約書の確認を怠ると、予期せぬ条件に縛られるリスクがあるため、細心の注意を払う必要があります。
実例
Aさんは契約前に重要事項説明書を十分に確認せず、購入後に隣地との境界線問題が発覚しました。一方、Bさんは契約前に専門の不動産コンサルタントに依頼して書類を確認。結果としてトラブルを未然に防ぎ、スムーズに土地を引き渡してもらうことができました。
必要な費用と手続き
土地購入には、購入代金以外にもさまざまな費用が発生します。また、手続きが多いため、順序立てて進めることが重要です。
必要な費用
1. 仲介手数料: 不動産会社を通して購入する場合、売買価格に応じた仲介手数料が発生します。目安としては、売買価格の約3%+6万円(税抜)が一般的です。
2. 登記費用: 所有権移転登記や抵当権設定登記に必要な費用です。司法書士に依頼する場合の報酬も含めて考慮しましょう。
3. 税金:
不動産取得税: 土地を取得した際に支払う税金。
登録免許税: 登記の際にかかる税金。
固定資産税: 毎年課税される税金。
4. その他費用: ローンを利用する場合の保証料や火災保険料、土地調査費用など。
手続きの流れ
契約締結: 売主と正式な売買契約を締結します。
手付金の支払い: 仮契約時に支払う場合もあります。
登記手続き: 所有権移転登記を行い、正式に土地の所有者となります。
残金の支払いと引き渡し: 契約時に定めたスケジュールに従い、残金を支払い、土地を引き渡してもらいます。
理由や根拠
法務省の「登記に関する手続きガイド」や、国税庁の「不動産に関する税金ガイド」によれば、適切な費用計画と手続きの理解が土地購入の成功につながります。特に、税金や登記関連の費用は想定外の出費になることが多いため、事前に十分なリサーチが必要です。
結論(まとめ)
土地購入の契約時には、重要事項説明や契約書の内容を慎重に確認することが不可欠です。また、購入費用以外にも税金や諸費用が発生するため、余裕を持った資金計画を立てましょう。不明点は専門家に相談し、適切な手続きでトラブルを未然に防ぐことが大切です。準備をしっかり行うことで、安心して土地購入を進めることができます。
家づくりの流れ
設計から完成までのステップ
家づくりのプロセスは、初めての方にとっては少し複雑に感じるかもしれません。しかし、大きく分けると設計、施工、引き渡しの3つの段階に分けられます。それぞれの段階でのポイントを押さえることで、スムーズに家づくりを進めることができます。
ステップ1: 設計の準備と依頼
理想の家のイメージを明確にする: 家族の要望やライフスタイルに基づいて、必要な間取りや設備を考えます。
建築会社や設計士の選定: 信頼できる設計士や工務店を選び、具体的な相談を始めます。
土地の条件確認: 土地の形状や法律的な制約(建ぺい率や容積率など)を確認し、設計に反映させます。
ステップ2: 設計の確定と建築確認申請
設計図の作成: 要望を基に詳細な設計図を作成します。
建築確認申請: 設計図が法律や条例に適合しているかを確認するため、行政に申請を行います。
ステップ3: 工事の開始と進行
基礎工事: 家を支えるための基礎を構築します。
上棟: 家の骨組みを組み立てる工程です。
外装工事:屋根や壁などのバルコニー防水など外部の仕上げの工程です。
内装工事: 壁や床、設備などの仕上げを行います。
設備工事:給排水、電気、空調などの配線や配管や器具付けの工事です
外構工事:駐車場、アプローチ、植栽、境界ブロックなど建物の周りの工事です
ステップ4: 完成と引き渡し
完成検査: 家が設計通りに仕上がっているか確認します。
引き渡し: 最終的なチェックを行い、新居の鍵を受け取ります。
予算管理と資金計画
家づくりには大きな費用がかかるため、適切な予算管理と資金計画が不可欠です。無理のない範囲で資金を計画し、予算オーバーを防ぐことが重要です。
ポイント
総予算の把握: 土地代、建築費、税金、諸費用など、家づくり全体の費用を見積もります。
優先順位の設定: 必要な設備や仕様に優先順位をつけ、コストカットできる部分を検討します。
予備費の確保: 予期せぬ追加費用に備え、総予算の10~20%程度を予備費として確保しておくと安心です。
家づくりの成功には、設計から完成までの流れをしっかりと理解し、適切な予算管理と資金計画を立てることが大切です。専門家のアドバイスを受けながら計画を進めることで、スムーズに家づくりを完了し、満足度の高い住まいを実現することができます。計画段階での準備を怠らず、安心して家づくりを楽しみましょう。
インザホームでの土地探しでは・・・
土地を購入する目的は家を建てることです。その土地にどんな家が建つのか?どれくらいの予算が必要なのか?造成費がどれくらいかかるのか?土地を売る立場ではなく、家を建築する立場の意見を聞くことは重要だと思います。そこでインザホームでの土地探しについてお伝えします
どんな暮らしがしたいのか?要望を言ってみよう
その土地でどんな暮らしがしたいのかはとても重要です。例えば、お庭でバーベキューがしたいのに、住宅が密集しているような地域では難しいかもしれません。バーベキューの煙が洗濯物に着いたらご近所さんとのトラブルになるかもしれませんよね。あなたが望む暮らしができるような土地や地域を選ばないと、建物だけではどうしようもできない場合もあります。インザホームでは、ご要望を聞く事から始まります。
5つの大切にしていることを決めてみよう
家づくりの要望は数えきれないほどあると思います。その中には矛盾するような要望があるかもしれません。緑豊かで駅が近くて、学校やスーパーが近くて、交通の便が良くて、広くて、安くて・・・・・とそんな夢のような土地はありません。あったとしても一瞬で無くなります。たくさんの要望の中からどんな暮らしがしたいのかを基準に優先順位をつけて5つを上げてみましょう。その中から3つが叶っていたら合格とか、1番が叶っていたら合格とか、5つ全部叶わないとダメとか人ぞれぞれの基準があると思います。
選んだ土地にプランをしてみる
暮らしの要望を先にヒアリングしていますので、プランができます。その要望は土地と家の両方で叶えることができます。「私たちの要望でその土地にどんな家がたつの?」は興味があることではないでしょうか?もしかしたら、敷地が思ったよりも小さくて良かったとか、駐車場が使いにくかったとか、色々な改善点が出てくると思います。カタチになって初めて思いつく要望もありますので、プランをしてみるのはとても良い事です。
プランは1週間でやる理由
インザホームではプランを1週間で作成します。あなたが選んだ土地は世界に1つしかありません。もしかしたら、明日には売れてしまうかもしれません。だから、なるべく早くプランをしたいのです。土地を観に行ってからプランをしますので、1週間は必要です。土地を観に行って、造成費が思ったより大きくなり予算オーバーになりそうだったり、資産価値が無い土地だったり、危険な土地だったりと、そんな場合はプラン前に土地の変更をします。色々な知識がある建築士が土地を診てくれるって安心だと思います。
予算を考えて、家のプラン変更ができるのかを考える
そのプランでどれくらいの金額が必要なのかを提示致します。土地+家+外構+造成+税金+諸経費=総額になりますので、土地購入前に総額の予算を知ることができます。これは絶対に土地購入前にすることです。土地を購入してからでは、お庭の予算がなくなってしまったり、家が小さくなったりと、家と土地のバランスが悪くなり、無理をすると予算オーバーになります。また、新たな要望でプランが変更することもあります。もし、予算や要望によって変更が難しい土地で納得できなければ次の土地探しに移ったほうが良いです。ここでのプランは決定ではないのでご安心ください。
土地の買い付けをする
プランと金額に納得したら、すぐに不動産屋に行き土地の買い付けをします。土地購入はスピードが命です。私たち建築士と土地探しをするとすぐに土地が決まるのは、このようなプロセスがあるからです。ここでは書ききれないような細かい内容もありますが、「土地探しが得意」というのには、お客様とのコミュニケーションと建築士の高い知識や情報があるからです。
まとめ
今回、お伝えしたのは地域の特徴、基本のポイント、住宅建築に適している土地、家づくりの流れ、インザホームの土地探しについてです。住む方によって土地探しのポイントや想いや価値観や予算・・・と違いますので、一人で悩まないで私たちにご相談ください。建築士の建てる側の目線で土地探しをお手伝いしています
詳しく話を聞きたいという方は「無料相談」におこしください。