これからどうしようかな・・・・と考えていました。
プロボクサーになろうかな。日本チャンピオンでもファイトマネーが50万円か・・・・体力には自信があったので良いかも。でも、殴られるのは痛いから却下。これからはコンピューターの時代だから、プログラマーになろうかな・・・でも、何となく暗いイメージがあって却下。と色々な職業を探していました。
その時、いつも通る道で家を建てていました。毎日、姿が変わる家を観ていると楽しそうだと思いました。一応、建築学部も受験したので興味はありました。プラモデルをつくるのは得意で、〇〇賞を取った事もあります。その時は、建築士の存在は知らなく大工が家を建てると思っていたぐらいです。じゃ、建築やってみようかなって思ったのが3月25日ぐらいです。建築の専門学校で3月30日に受験して、建築の道に入りました。
当時は600人ぐらいの生徒がいて、A~Eの5クラスに成績順に分けられていて、普通科でしたがAクラスに入りました。勉強の方は普通についていけましたが、作図の方は全く分からなくて、いつも居残りでした。工業課の生徒が多く高校の3年間で製図してきた経験の差はなかなか埋まりません。朝から製図して夜の8時半ぐらいまで図面と向き合っていました。本当に悔しくて、みんなにどうやって描いているのかを何度も教えてもらいました。
「この定規はどうやって使うの?」「鉛筆の削り方は?」「瓦ってどうやって描くの?」もう分からない事だらけでした。パースでコンクリートの建物を描くとコンニャクみたいな質感になったり(これはこれで才能かも)、キッチンはどれくらいの大きさなのかも知らない素人からのスタートです。この時は、ヤバイ業界にはいってしまった・・・と思っていました。
何とかこの差を埋めなければと思い、小さなスケールをポケットや鞄にいつも入れていました。身近なモノのサイズを測って記憶しました。テーブルの高さ、壁の厚み、階段の高さ・・・と、図面も家で練習しました。技術的には落ちこぼれでしたが、全く知らない事を学ぶのは楽しかったです。
それでも、2年後には図面も早く綺麗に描けるようになり、勉強は10番以内にいました。在学中に2級建築士を受験しましたが、学科は自己採点で98点、製図は1時間以上時間があまるぐらいまでレベルが上がりました。負けず嫌いの結果です。