検査=安心って本当?
「第三者機関の検査をしているから、しっかり建てられた家です」
この様にホームページや営業マンが言っている場合があります。
はたして本当に検査をしているから安心なのでしょうか?
この様に書いてしまうと「安心じゃないよね」と思われるでしょうね。
では、どうして安心ではないのかをお伝えしていきます。
図面に描いていないと検査対象ではない
検査とは何なのか?
保険対象の検査では
図面通りに現場が施工されているのかを観る事です。
これをもう少し深堀していくと
図面に描いていない事は検査できないのです
例えばコレ
ネットで拾った写真です。
鉄筋は綺麗に施工されています。
これが設計図書通りであれば検査は合格です。
今回観て欲しいのは、赤丸の部分です。
鉄筋はどこかで継ぐ事になります。
その長さや位置が決まっています。
赤丸部分は、4か所が同じ位置で継手されています。
(鉄筋が重なっている部分です)
次にインザホームの基礎写真をご覧ください。
↑が継ぎ手部分です。
一本飛ばしの継手位置になっています。
(反対側に継手があります)
鉄筋の継手は同じ位置はダメです。
地震などでチカラが加わると割れてしまう可能性があります。
通常は、ここまで細かい事は図面に記載されていません。
だから、検査対象ではありません。
検査対象でないから、合格です。
その他にも「かぶり厚」があります。
土と接する部分のかぶり厚は60mm以上です。
写真はインザホームのかぶり厚です。
70mmあります。
ブロックが下がらないように敷物もあります。人が作業で歩くので下がる可能性があります。
だから、10mmのクリアを設けて60mmでいいのに70mmにしています。
では、このかぶり厚57mmだとしたら・・・・
3mmぐらいは地面は下がるかもしれません。
それに対して、検査員の指摘はありません。
つまり合格です。
第三者機関の検査員であれば大丈夫?
保険対象の検査だけではなく、全体を検査する第三者機関なら大丈夫なのでしょうか?
それは、依頼する検査機関によりますが・・・・
多くの場合、あまり現場経験のない人とか、建築士でない人とかが検査に来ます。
チェックリストのみの検査です。
誰でも検査できるようにしているのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
検査報告書が欲しければいいのかもしれませんが
あなたが欲しいのはしっかりと施工された家のはずです。
検査員の権限とビジネスモデル
検査員は図面通りに出来ているのかを見に来ているので
その設計が正しいのか?
図面以外の施工要領がただいいのか?
は指摘する権限はありません。
だから、間違っていても言えないのです。
例えばこれ
インザホームの基礎鉄筋の全景写真です。
赤丸で囲まれた部分が地中梁でかこまれた構造ブロックです。
基礎が区画されて、細かな四角になっていて構造がなりたっています。
次にネットで拾ってきた写真です。
区画されている感じでは無いですね。
これも図面通りの配筋なら検査は合格です。
次にビジネスモデルについてです。
検査員も給与をもらって生活しています。
検査の報酬は住宅会社からか、お施主さんからになると思います。
どちらにしても、住宅会社は関わります。
厳しい検査内容になると、次からは検査のお仕事もらえなくなります。
図面に描いてない事まで指摘できない事情があるのです。
どうしたら良い家が手に入るのか?
木造2階建てまでの住宅は、軽微な建築物として扱われるので設計は建築士の責任に委ねられます。
構造計算の提出義務がない4号特例になってしまう訳です。
だから、しっかりと設計ができる建築士で、図面に記載されていない施工要領まで現場指示できる現場監督がいる会社で建ててもらいましょう。
インザホームの場合は、1級建築士の前田が両方とも兼任していますので間違いはありません。
それは他のコラムを読んでいただけると分かると思います。
特に施工知識はなかなか身につきません。
実際に観て、経験して、やってみないと知識にならないので、作業前に職人さんと打ち合わせて注意する事を話し合えるレベルになるまでには、時間が必要です。
今回は、基礎の鉄筋についておつたえしましたが、住宅建築には色々な工事があります。
コンクリート、ボルト、上棟、屋根、外壁、窓、左官、大工、電気、給排水、空調、外構、造成、・・・・
どうしてもデザインや間取りに目が行きますが
現場管理についても気にかけてください。