こんにちは、前田です。
「自然素材で家を建てているから健康的です」
こんなキャッチ―な言葉で営業しているのを聞く事があります。
いつの間にか
自然素材=健康
と感じている場合があります。
今回のブログで自然素材について2点をお話します。
①自然素材ってなに?
②自然素材=健康なのか?
①自然素材ってなに?
人工物である化学物質を仕様しない材料をつかった家の事です。
例えば
無垢の床材や珪藻土の塗り壁などが自然素材になります。
材料としてはとても魅力的で味もあります。
ただ、金額が上がります。
例えば壁紙をクロスにする場合と珪藻土を塗る場合
金額にすると3倍ぐらいになります。
2倍ぐらいのモノもありますが(それ以下のモノもあるかもしれません)
塗り厚さが薄かったり、ひび割れしないように化学物質が配合されていたり・・・
あれ?自然素材じゃないよね・・・・って事が起こります。
たとえ含まれていても分からないと思いますけどね。
ビニールクロスを「悪」という住宅会社もいますが
普及しているのはビニールクロスです。
接着剤も「でんぷん質」でつくられているので
昔の様に化学物質が配合されているものはありません。
ほかには、構造材があります。
例えば、梁を無垢材にする
大きなスパンを掛ける場合は、それなりの梁の大きさになります。
無垢の場合、大きな材料になると高額になります。
集成材になれば体積で金額がきまるので
それ程、金額は上がりません
強度については、無垢は割れや曲がりなどの狂いが出ます
集成材は強度がJISで決められていて
曲がりや割れはありません。
強度や金額では有利です。
木材を張り合わせているのが集成材なので
その接着剤が悪いと言われますが
それは何年も前の話で現在では影響はありません。
無垢の床についても同様です
無垢は金額が上がりますし、狂いも出ます。
どれが良いのかは住む方の価値観になりますが
営業マンのトークだけで決めないようにしてください。
だって、自然素材を販売したほうが儲かりますからね。
ちなみに、IN THE HOMEも自然素材出来ます。
私たちの場合は、水まわりの床は
硬質ビニールの材料を使います。
それは、油や水などの汚れに強く
掃除がしやすく
傷にも強いとメリットがあるからです。
それぞれのメリット・デメリットを考えて選んだ方がよいと考えています。
②自然素材=健康なのか?
ハッキリ言うと違います!
完全に自然素材にする事は出来ません。
例えば、照明器具は樹脂でできていますし
キッチンや家具などは接着剤をつかっていますし
配管も接着剤で止まっています。
事実として、
現在の家づくりで接着剤を使用しない家はありません。
それなのに、全員が不健康かというとそうではありません。
自然素材だから健康ではなく
健康的な環境をつくる事が重要になります。
健康的な環境とは
室温が均一で冬でも20度を下回らない
新鮮な空気である
つまり、気密・断熱・換気の性能がしっかりとしていている事
これが健康につながります。
自然素材だから不健康だと言ってはいないので勘違いしないように
自然素材にこだわって予算がなくなり
住宅性能が満たされなくなれば、
風邪をひきやすくなり、寒さで腰痛や肩こりが起こり
結露でカビが生えて空気がわるくなったり
色々な不健康の原因にもなります。
初めて家づくりをされる方がほとんどです。
たまたま出会った営業マンが親切で熱心で
自然素材をすすめてくれたのが理由かもしれませんが
その営業マンが建築を知っているのかは別です。
私なら性能は、インザホーム仕様のしかりと設計施工されたものにして
予算が余れば、自然素材を部分的に採用していきます。
例えば、肌に触れる床は無垢にします。
予算が無ければ、リビングだけどか、1階だけどか
それでも良いと思います。
珪藻土などの塗り壁も同様です。
リビングだけとか、寝室だけとか・・・
また、クロスの代わりに和紙を張ってもいいですね。
1つの物事にとらわれすぎないように
もっと広い視野で家づくりをサポートしてくれる
そして、技術的に知識的に分かっている人を
家づくりのサポート役にしてもらえると
家づくりって楽しめて、成功すると思います。