こんにちは、建築士の前田です。
断熱性能を上げるとランニングコストは下がりますが
イニシャルコストは上がります。
増加したイニシャルコストをどれくらいの年数で
回収できるのか?が重要になります。
間取りや周りの環境などにより誤差はありますが
HEAT20 G1 U値=0.56(6地区)
の水準まで性能向上すると15年ぐらいかかる様です。
それを長いのか短いのかは住む人の価値観ですが
お金に換えがたい快適で質の高い住宅空間での
暮らしが出来るのです。
昭和55年相当の断熱水準と比べると
工事費差額が約110万円
年間の光熱費の差額が7.4万円
110÷7.4=14.8年ぐらいです。
これをU値=0.34にすると
工事費差額が190万円
年間の光熱費の差額が8.9万円
190÷8.9=21.3年
この試算には、空調機のイニシャルコストは含まれていないので
実際にはもう少し短い時間で回収できます。
外皮性能が高くなると空調機の台数が減るからです。
体感温度が20度になる
冷暖房費増加分を加算したトータルコストや
エネルギーコストが毎年1%上昇した場合の想定をして
コストパフォーマンスの良い仕様は
「HEAT20 G1」だと思います。
コストパフォーマンスを考える視点
エネルギーコストの上昇
借入の金利負担
設備のイニシャルコスト
外皮性能が高くなると空間設計が自由になる
外皮性能が高くなると温度ムラがすくなくなる
予算には限りがあります。
断熱以外にも大切にしたい事もあるでしょう
土地の安い地域なら建物にも予算を掛けれますが
この地域では土地が高額です。
それだけ環境の良い地域だからです。
地域に合った仕様を建築士と相談しましょう
補足
断熱等級4(平成25年基準相当)の
3地区のU値が0.56です。
3地区は青森県、岩手県、秋田県になります。